【Q&A】片側卵管閉塞、もう片方も?~岡野先生【医師監修】

ゆかさん(34歳)
妊活を開始して1年経ちました。
なかなか妊娠せず、半年前からタイミング法をしても授からないため、昨日、卵管造影検査を受け、本日2回目のレントゲンを撮り行きました。結果としては、右側卵管の先端が映っておらず、右の卵管が詰まっているから映らないのか、細くて映らないのか、原因追求するには子宮鏡検査になるみたいで、現時点で卵管閉塞の断言はできないそうです。
ただ、よくある話としては「詰まっていたけど造影剤を流したことにより、貫通していた」という事があるみたいですが、本日のレントゲンでは「もう造影剤がお腹に散っているため、それは確認できなかった」と言われました。

一つハッキリした事は、左側卵管は通っているので、左側に合わせてタイミングをとることで自然妊娠を目指せるということでした。

ネットでは、片側閉塞だともう一方の卵管も異常があることが多いと書かれており、不安です。
今後の治療や、タイミングを取り続けることで妊娠の可能性があるか知りたいです。

絹谷産婦人科の岡野真一郎先生に伺いました。

【医師監修】岡野 真一郎 先生 (絹谷産婦人科 副院長)
川崎医科大学卒業後、広島大学医学部医局、広島市立安佐市民病院産婦人科、土谷総合病院産婦人科、公立みつぎ総合病院産婦人科、呉共済病院産婦人科、中国労災病院産婦人科医長を経て、2007年より現職。日本生殖医学会認定 生殖医療専門医、日本産科婦人科学会認定 産婦人科専門医。
※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。

子宮卵管造影検査で片側の卵管が詰まっている可能性があるとのことですが、先端部の場合子宮卵管造影でははっきりしないこともあります。
また、原因にもよりますが、細菌感染などの炎症性疾患で片側が閉塞している場合、反対側にも炎症がある可能性もあり、完全に閉塞していなくても不妊や子宮外妊娠のリスクが上昇します。

こういった場合の対応としては、年齢、卵巣予備能、男性不妊の有無等を考慮し治療法が選択されると思います。
上記に問題がなければ、排卵誘発をして健側の卵管側に卵胞が発育した場合に、タイミング指導ないし人工授精を数周期行い、妊娠に至らない場合は、体外受精を考慮することとなります。(20~30代前半の方であれば自然妊娠の可能性も考慮して腹腔鏡手術も選択肢となります)

現在は体外受精もほぼ保険で治療可能ですので、主治医とよく相談して、卵管の状態があまりよくないようであればステップアップも考慮されてはと思います。

>全記事、不妊治療専門医による医師監修

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