【Q&A】高FSHで卵胞が育ちません~高橋敬一先生【医師監修】

てらさん(42歳)

高FSHで卵胞が育たずリセットを繰り返しています。リセットの方法はいつも同じ(プラノバール10日間)で、保険治療の範囲内では他に方法はないと言われました。以前はエストラーナテープも併用してリセットしたこともありますが、保険の縛りが厳しくなって現在はそれもできないと言われました。
プラノバールは卵巣を休ませるためだと言われましたが、漢方薬局の薬剤師からは薬で卵巣が疲れているから薬をやめてリセットしたほうがいいと真逆のことを言われました。リセットの方法はどれが正しいのでしょうか?
もうすぐ43歳になり保険適用が終わってしまうので、すごく焦っています。
薬でリセットしながら運良く育ちそうな周期を待つしかないと言われ、また保険適用の範囲でできることは他にないと言われました。本当に他にできることはないのでしょうか?
こんなことを繰り返しているうちに43歳になってしまいます。どうすればいいのでしょうか?

高橋敬一先生にお伺いしました。

【医師監修】高橋ウイメンズクリニック 高橋 敬一 先生
金沢大学医学部卒業。国立病院医療センター(現・国立国際医療研究センター)、虎の門病院を経て米国ワシントン大学に留学。1996年虎の門病院に復帰した後、1999年千葉市に不妊治療専門『高橋ウイメンズクリニック』を開院。2014年ベストドクター認定(ベストドクターズ社)。2022年10月に開院から累計で妊娠2万例を達成する。
※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください
卵巣機能が低下して、思うように治療が進まずご不安のことと思います。
卵巣機能は確かにかなり低下しているようです。今の施設での治療は、胚盤胞もできているので技術的にはかなりしっかりした施設だと思います。妊娠するかどうかは、胚盤胞の染色体次第なのですが、年齢的には2/3は染色体異常になる確率で、これが妊娠しにくい理由の一つなのです。
今後はやはり卵巣機能次第、卵子ができるかどうかにかかっています。卵巣を休ませる方法としてはプラノバールの使用法は適切ですよ。エストラーナテープを使用することでのメリットはほぼ同等であり、プラノバールが特段劣っているわけではありません。
薬で卵巣が疲れているのではなく、卵子が少なくなっていることが問題なのです。
人間はいつも一定、ではないので、卵巣機能が低下していても、卵子が育つこともありますので、毎周期、超音波検査やホルモン検査で卵巣の状態を見ながら、排卵誘発剤、プレマリン、プラノバールなどの使い分けをすることになります。何も使わずにリセットはできず、リセットにはプラノバールなどは必要ですよ。
もし追加で行うならば、タンパク質やコレステロールなどの栄養検査。亜鉛、銅、などの微量元素検査。その上での、誘発剤やプレマリンを使用して、卵巣の反応次第でしょう。先進医療は卵巣機能低下に対してのものはなく、採卵後の対策方法になります。サプリメントも十分使用しており、今の施設の対策は基本的におかしなことはないと思います。
43歳の年齢が迫っているようですが、保険の回数が残っているならば、43歳をすぎても1回は胚移植は保険適応されます。転院は、治療にかかるまで時間も必要になる可能性がありますので、追加の対策は、まずは担当医に要望を伝えてみてはいかがでしょうか。
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