みかんさん(43歳)
43歳になり、保険治療ができなくなったため、今後どうするか検討中です。
1 顕微授精を続ける
2 人工授精に切り替える
3 卵子提供
4 卵巣を切って原始卵胞を取り出す手術をする
5 諦める
経済的なことを考えると、しばらく人工授精をしたいと思っていますが、卵胞も育たなくなっているので、原始卵胞を取り出す手術も考えています。しかし、手術をすると卵巣機能が更に低下するのではないかと心配です。
FSHも高く、月経が始まって注射を打ってもなかなか反応がなく、5月頃から卵胞が育たなくなりました。
4月、5月に月経が来た時にモニターをすると、排卵しそうな卵胞があり採卵しましたが、一つは受精したものの育たず、一つは退行卵でした。このような状況でも、まだ妊娠できる可能性はありますでしょうか?
広島HARTクリニックの向田哲規先生に伺いました。
高知医科大学卒業。同大学婦人科医局に入り、不妊治療・体外受精を専門 にするため、1988年アメリカ・マイアミ大学生殖医療体外受精プログラムに在 籍。1990年から5年間NY・NJ州のダイヤモンド不妊センター在籍後、1995年 広島HARTクリニックに勤務し、現在院長として臨床に従事。
43歳で、AMH0.06という劇的低下の状態で既にART医療を受けて結果になっていない状況であれば、ストレートな答えですが、卵提供しかないと思われます。
43歳の方から得られる胚盤胞の正常染色体の割合は15%以下であり、その点から考えると、6~8個の胚盤胞が得られたら1個正常であるという状況なので、AMH値:0.06の方が、5個以上の採卵が出来て、それから3個以上の胚盤胞が得られ、そのような周期が2~3回行うことが出来その胚盤胞にPGT-Aを施行して正常染色体を得て、それを移植に供して妊娠するのは、臨床的・一般的に考えて極めて難しいと思われます。
AMH値が1.0以上あり、採卵数がある程度期待でき、胚盤胞が複数個毎回得られるのでしたら、子宮に問題ない前提もありますがART医療は有効であると思われます。
そのため、自分自身が妊娠出産し、実子としての挙児を得るには卵提供が現実的なアプローチと思われます。
経済的な点から当分IUIを続けるのは、時間とコストの無駄であり、何かしないと、という精神的な点からなのかもしれませんが「43歳、卵巣予備能劇的低下」の現状を正しく理解し、ご夫婦の挙児をどの程度望むか?を真剣に考え完全に諦める、も視野に入れて考えるべきです。