【Q&A】デュファストンが合わない?~稲垣先生【医師監修】

ぷりんさん(35歳)
出産後しばらくしてから月経不順になり、病院へ行ったところデュファストンを処方されました。
最初は2錠×10日間で続け、途中から一錠×10日間になりました。飲み忘れや生理が来た日がズレたことなどにより、飲む期間が変わったりもして(毎月20日から→毎月1日から)、飲み終わってから生理が来るまでの期間が長くなりました。
飲み終わり4日頃で来ていたのに、最近の数ヶ月は飲み終わり9日で来ていました。
今月も1日~10日で飲みましたが、19日が過ぎても生理が来なかったので妊娠検査薬を試したところ陰性でした。
25日頃に電話で病院に連絡したところ、「妊娠検査をして、陰性だったらまた1日からいつも通り飲んでいい」とのことでした。再度検査してもやはり陰性。
デュファストンを飲んで生理が来なかったことはないので、なんだろう??と不安に思っていたところ、28日に生理が来ました。ここまで遅れたことがなかったで、そもそもデュファストン1錠では足りなくなってきてしまったということなのか、これでまたデュファストンの飲み始めが変わることによって安定しなくなるのではないか、という不安があります。
妊娠希望なので、まずは月経を安定させたいし、排卵しているかどうかも気になります。
そもそも、19日に生理が来ていたことも、スケジュール的に排卵時期が読みづらく、生理が終わってすぐ服薬しなくてはならないので、排卵→服薬の順になっていない気がして、妊娠できるのかな..という心配もあります。

【医師監修】いながきレディースクリニック 稲垣 誠 先生 
1994 年、浜松医科大学医学部卒業。浜松医科大学医学部附属病院、鹿児島市立病院、聖隷沼津病院などで産婦人科医の経験を重ね、2012 年、不妊治療専門施設「いながきレディースクリニック」を開院。「お一人ひとりに寄り添いながら、それぞれの患者さまに合った最適な治療を心がけています」

※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。

●月経周期とデュファストンの投与量、投与期間の関連性について教えてください。

デュファストン(ジドロゲステロン)は黄体ホルモン製剤です。黄体機能不全や切迫流産に適応があり、投与量は15mg~30mg/日、投与期間は黄体補充として考える場合は黄体期の同期(~14日間)させるべきと考えます。

●月経が不安定になることによって、排卵のタイミングが読みづらくなっているとの懸念があります。このような場合、どのような対応を推奨されますか?

ご相談の文面からは依頼者さまの月経周期や、多嚢胞性卵巣症候群との診断理由が不明瞭で、判断に困ります。

上記のように黄体補充は黄体期に実施するのが基本であり、排卵を確認したのちから服用を開始するべきと考えます。これはすなわち、日付ベースではなく、その周期における排卵日を基にして処方されるべきと考えます。このため私には依頼者様の内服スケジュールには違和感を覚えます。

また、第2子不妊のためかもしれませんが、不妊因子の探求がされているのか疑問です。たとえ1子をもうけられていても、一通りの不妊因子を確認のうえ、治療方針を決定するべきと考えます。もし依頼者さまがそういった諸検査を受けていらっしゃらないようであれば、そういったところから取り掛かってみてもいいかもしれません。また、基礎体温の記録なども排卵のタイミングを知る良いツールになるのではないでしょうか。

●ぷりんさんの妊娠の確率を高める方法として、デュファストンの投与スケジュールや投与量を調整することは可能でしょうか?

上記の通り、排卵のタイミングをより詳細に把握しかつ、必要に応じて処方されるべきと考えます。

●排卵しているかどうかを確認するための診断方法について、先生のクリニックではどのような提案をされますか?

上の質問内容への返答と重なりますが、ホルモン測定や超音波検査、基礎体温等が有効と考えます。

文面から、依頼者さまは排卵の有無の確認をされていないように拝察します。上述したように、黄体補充は文字通り黄体期、すなわち排卵後に始めることに意義があり、それを確実に把握しないで服用した場合、排卵前から黄体ホルモンを服用することになり、適切な服用とは言えない可能性があります。

はなはだ僭越ではありますが、もう少し不妊治療に積極的な医療機関を受診されることをご検討いただきたく思います。

>全記事、不妊治療専門医による医師監修

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