【Q&A】新鮮胚移植か凍結融解胚移植か~井上善先生【医師監修】

ぐるとさん(30歳)

2回目の採卵をアンタゴニスト法で実施しました。新鮮胚移植するか、凍結させるか悩んでいます。
メリット、デメリットは理解しているつもりですが、どの方法なら可能性があるのか悩んでいます。

井上先生にお聞きしました。

【医師監修】井上 善仁 先生 昭和59年3月、九州大学医学部卒業。同年4月、九州大学医学部婦人科学産科学教室入局。平成20年4月、福岡大学病院准教授。平成28年7月に井上善レディースクリニックを開院。スタッフ一同が協力して良いクリニックを作っていき、一人でも多くの患者さんに満足していただけるよう努力している。

※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。

2回目の採卵はすでに8月27日に終了しておられるのであれば、今から新鮮胚移植をすることはできないでしょう。
まだ30歳と若い方であり、初回採卵時も良好な胚盤胞が得られておりますので新鮮胚移植、融解胚移植のどちらでもOKと思います。

私のクリニックではこれまで全胚凍結がほとんどでしたので新鮮胚移植の症例数は多くありませんが、良好な胚盤胞を移植した際の妊娠率は新鮮胚移植と凍結融解胚移植であまり差がありません(妊娠率約45%程度)。
全国のART登録の結果では分割期胚を移植した場合はほぼ全ての年齢層で妊娠率は同等ですが、胚盤胞移植の場合は29〜31歳の若い方では凍結融解胚移植の成績が新鮮胚移植の成績を大幅に上回っています。


この結果から考えるとこの患者さんの場合は凍結融解胚移植の方が良いのではないかと思います。3回目の移植で良好胚盤胞を移植しても妊娠されなかった場合は着床不全の検査を受けることをお勧めします。

>全記事、不妊治療専門医による医師監修

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