ラム さん(38 歳)
アンタゴニスト法とPPOS 法ですでに6回採卵。「桑実胚までいってるからあと一歩」と主治医に言われましたが、良好胚を得るにはどんな排卵誘発法を試せばよいですか?
田村秀子婦人科医院 田中 紀子 先生
京都府立医科大学医学部大学院修了。医学博士。留学後扇町レディースクリニック勤務を経て、2008年より田村秀子婦人科医院に勤務。副院長。
京都府立医科大学医学部大学院修了。医学博士。留学後扇町レディースクリニック勤務を経て、2008年より田村秀子婦人科医院に勤務。副院長。
田中先生●今回のラムさんの場合、PCOS(多囊胞性卵巣症候群)により数は多くても未熟卵が多く質も低い卵子側と、精子の数が少なく運動性も不良である精子側の要素の組み合わせにより良好胚が少ないと考えられます。まずは今一度ご夫婦ともに精子・卵子の質の改善のために生活習慣の見直しや抗酸化サプリをおすすめします。PCOS には血糖をコントロールするインスリンの働きが低下している方も多く、メトホルミン(インスリン抵抗性改善薬)によりホルモン環境と卵質の改善を期待できます。良好胚を増やす効果も期待できることから、排卵誘発にメトホルミンの併用を考えてはいかがでしょう。