【Q&A】体外受精と障害について~佐藤先生【医師監修】

いちご水さん(39歳)

2月に初めて採卵し、4月末に初めて凍結していた胚盤胞を2つ(4AAと3CC)移植しました。結果は「着床はしているけれど、子宮の中には確認できない、よって不全流産か子宮外妊娠の可能性がある」と診断されました。子宮内容除去術の手術を受け、メソトレキセート注射を5日間打つ治療をしているところです。何故このようなことになってしまったのか、主治医の先生に理由を聞いても、「たまたま」「妊娠するとこういうこともある」といった説明で、釈然としません。どういったことが理由として、考えられるのでしょうか?
自分自身、何か気を付けるべきことがあったのでしょうか?

現在凍結してあるものが、
4AAとM(桑実胚)
3ABと1B(初期)
※上記の組み合わせで、1回の移植につき2個戻すことになっています。

新たに採卵する前に、あと2回移植できるのですが、今後、どのように治療を進めていくのが良いと思われますか?
また、知り合いから「体外受精をして生まれた子に障害があった。そのときの採卵で取れた他の胚も移植後に障害をもつ子になるかもしれないから、全て破棄して新たに採卵することを考えている」というお話を聞きました。採卵が同じときの胚や胚盤胞は、同じように障害をもつ可能性が高くなるものなのでしょうか?
初めての体外(顕微授精)で、このようなことになり、なんともやり切れず、辛く悲しい気持ちです。今後、妊娠、そして無事に出産することを望んでいますが、年齢も高く、不安です。今後、妊娠、出産できる可能性はあるのでしょうか?
ご教示いただけましたら有難いです。どうか、よろしくお願いいたします。

産科婦人科舘出張佐藤病院・高崎ARTクリニックの佐藤先生に聞いてきました

【医師監修】産科婦人科舘出張佐藤病院・高崎ARTクリニック   先生 
医学博士・産婦人科専門医・日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医・日本生殖医学会生殖医療専門医。2018年、体づくりができるフィーカレディースクリニック(東京・日本橋)を開院。佐藤病院院長・高崎ARTクリニック・Fika Ladies’ Clinic理事長を務める。専門分野だけでなく、栄養学や抗加齢医学などの知識も深く、患者さんにも積極的に生活習慣の改善を指導。
※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。
状況からいたしますと、不全流産ではなく子宮外妊娠(異所性妊娠)の可能性が高いということで、メソトレキセット治療を行っていることと思います。
異所性妊娠になってしまうのは、たまたまですが、リスクとしては高齢妊娠や体外受精、クラミジア感染、たばこ等。また筋腫核出もリスクになっているかもしれません。いずれにしても、たばこ以外は気を付けられないので、注意深くみていくしかありません。移植にあたり胚盤胞を2つもどされているようですが年齢、筋腫核出後ということを考えると1つずつの移植も考えるべきと思われますので、担当の先生とご相談ください。お知り合いのお話は正しい情報ではないと思います。
胚は1つずつ独立したものですが、同時期に採れた胚が障害の子になる可能性が高いということはありません。

今回の結果はおつらいこととは思いますが、体外受精一回一回の妊娠率はさほど高くないので、妊娠反応が出たことは一歩前進ととらえ、もう少し続けてみることをお勧めします。

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