難治性の排卵障害について

妊活デビュー予定、何から取り組んだらいいでしょうか?

相談者 : ゆんさん(33歳)身長160cm で体重は90㎏の33 歳。結婚4 年目なので、そろそろ妊活したいと考えています。そうはいってもほとんど知識がないため、まずは何から始めたらいいかがほとんどわかっていません。私のような「妊活デビュー」の人は、どのようなことから取り組んでいったらいいでしょうか。また予め知っておくべき情報や知識、病院の選び方のコツなどはありますか。その他、アドバイスがありましたらお願いします。ちなみに月経は不規則で、月経期間は6日。AMH は検査をしたことがないので、不明です。
産科婦人科 舘出張 佐藤病院 佐藤 雄一 先生 医学博士・産婦人科専門医・日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医・日本生殖医学会生殖医療専門医。2018 年、体づくりができるフィーカレディースクリニック(東京・日本橋)を開院。高崎ART クリニックを含む佐藤病院グループの代表。専門分野だけでなく、栄養学や抗加齢医学などの知識も深く、患者さんにも積極的に生活習慣の改善を指導。
ゆんさんのようにこれから妊活デビューをする方は、どのようなことから取り組んだらいいでしょうか。
佐藤先生●まずは自分の体と向き合って生活習慣を見直してみるのがいいでしょう。妊娠を考えるならやせすぎも太りすぎもあまりよくありません。やせすぎの場合は、卵巣機能が低下するなどのトラブルを引き起こす可能性があります。一方で太りすぎは、排卵障害などで妊娠しづらくなる場合があり、妊娠した後も妊娠高血圧症候群をはじめとした合併症や、普通分娩が難しく帝王切開になるなど難産になるケースも。できるだけ妊活中に標準体型に近づけておきましょう。しかし過激なダイエットで1カ月に10kg以上体重を落とすことは避けてください。
 ご自身が標準体重かは、BMI によって知ることができます。体重÷(身長(m)×身長(m))で出た数値が、18·5 ~24·9 の範囲内であれば標準体重ということになります。
 食生活も見直してみましょう。できるだけ3食しっかり食べる、1日の中でいろいろな食材を使ったメニューを食べるようにし、栄養バランスが偏らないよう心がけてください。
 また標準体重を保つためには運動を習慣づけることも大切です。激しいスポーツをする必要はありませんが、ご自身が無理なく長く続けられる運動を始めてみましょう。
妊活をするうえで知っておくべき情報や知識を教えてください。
佐藤先生● 妊活中はもちろん、妊娠~ 出産後に大切な栄養素の1つに葉酸があります。ただ葉酸は食事からだけだと十分に摂取できないため、サプリメントを活用しましょう。ちなみに葉酸は、ビタミンB 群の一種で、細胞をつくったり、細胞分裂や成長をうながしたりする栄養です。それだけでなく、妊娠できた後、「神経管閉鎖障害」という胎児の脳やせき髄の発達不全を伴う障害を軽減させる働きも担っています。
 そして最低でも1カ月のうち3回以上は性交することもとても重要です。もし、すでにそういった性交を定期的に行っているのにもかかわらず、妊娠しない場合は、早めに病院を受診してください。まずは一般的な不妊検査を受けられる産婦人科であれば、たとえば家から近いなどご自身が通いやすいところで大丈夫です。
 妊活を機に食事や運動、生活リズムなど自分の生活を見直すことで、妊娠しやすい体、そして妊娠中や出産後も元気でいられる土台を作ることができます。ぜひトライしてみてくださいね。
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全記事、不妊治療専門医による医師監修

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