【Q&A】移植か採卵か迷っています~浅田先生【医師監修】

あやさん (42歳)
21年に採卵し、8個胚盤胞になりました。移植1回目は流産(5日目4AA)となり、絨毛染色体検査の結果、正常胚でした。不育症の検査をした結果、凝固系の異常が見つかり、その後バイアスピリン投与で2.3回移植。3回目の移植(5日目4AA)で子どもを授かり、現在1歳になります。今年、2月に第二子に向けて(6日目4AA)移植しましたが、心拍確認できず稽留流産となりました。
残りが、4個(2個5日目4BB、1個5日目4AB、1個6日目4BB)となります。このまま、移植するか、BBばかりであれば採卵すべきなのか悩んでます。病院からは、PGT-Aも勧められませんが、数的な問題なのでしょうか?
今回も、融解して透明体が飛び出しいい状態と言われましたがダメだったので落ち込んでいます。また、今までの移植の時と以前と違う点が、ホルモン補充から自然にしました。22年の出産の際、胎盤が取れず緊急手術をした経緯があり、病院から完全には避けれないがリスクを減らすにはとの事で自然周期にしました。

浅田先生に聞いてきました

【医師監修】浅田レディースクリニック 浅田義正 先生
名古屋大学医学部卒業。1993 年、米国初の体外受精専門施設に留学し、主に顕微授精を研究。帰国後、日本初の精巣精子を用いた顕微授精による妊娠例を報告。現在、愛知県の名古屋駅前、勝川、東京・品川にクリニックを開院。著書に『不妊治療を考えたら読む本』(講談社)など多数。

※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください

AMHが9.96ng/mlと高いので、多嚢胞性卵巣症候群だと思います。残り4個の胚盤胞のグレードがBBなので、移植か採卵で迷われているということですが、胚盤胞のグレードは、赤ちゃんになるところや胎盤になるところの細胞が多い、少ないという評価です。野球で例えるなら打順を決めるようなもので、移植の順番を決めるために参考にするものです。グレードが妊娠率に直接大きく影響するわけではありませんし、染色体異常が反映されるわけでもありません。
そのため、胚盤胞になれば順番に移植をしても問題ないと思います。
グレードが高い胚盤胞でも、染色体異常は起こりますので、無駄な移植を避けたいのであれば、PGT-A検査が非常に有効です。

また、ホルモン補充周期から自然周期にされたということですが、ホルモン補充周期といってもクリニックにより、プロトコールが違います。私は、自然周期よりも移植のタイミングをきちんと合わすことができるホルモン補充周期の方がいいと考えています。自然周期の方が胎盤の異常が少ないと主張される医師もいますが、私はその意見に対して同意はできません。現在の保険診療ではホルモン補充はプロゲステロンの膣坐薬しか使用することができません。プロゲステロンは半減期が非常に短いため血中濃度が大きく変動し、膣座薬を大量に使用するので、胎盤形成に多少、影響が出る可能性があります。そのため、私は昔から膣座薬をなるべく使用せず、長時間作用する黄体ホルモンを使用して安定した黄体ホルモン濃度で移植をすることをすすめてきましたが、保険診療ではそれができないため、妊娠反応が出るまでの期間は、やむをえず膣座薬を使用しています。
ただ、出産時の胎盤異常とされる陥入胎盤や癒着胎盤は体外受精特有のものではなく、自然周期でも起こり得ることであり、子宮そのものの条件、例えば子宮腺筋症子宮内膜症手術の既往という症状の方が大きな要因となりますから、単純に“ホルモン補充周期だから”という判断はしてほしくないと思います。
体外受精はクリニックにより、プロトコールや技量が全く違いますので、結果が出なければ転院をして違うやり方の治療を受けてみることが解決策の一つだと思います。胚盤胞が多くできれば、是非PGT-A検査をしていただきたいと思います。

>全記事、不妊治療専門医による医師監修

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