にこにっかさん(43歳)
DHEA、コエンザイムQ10、PQQサプリ以外で今の私に必要なサプリは他にありますか?
胚盤胞で移植しても、妊娠に至りません。
シート法を用いても妊娠できませんでした。
卵の数も少ないです。
レディースクリニックあいいくの樋渡小百合院長先生に教えていただきました。
樋渡 小百合 先生
2005年鹿児島大学医学部医学科卒業。鹿児島大学産婦人科に入局、県立大島病院、国立病院機構都城医療センター、愛媛県松山赤十字病院等を経て、2016年より鹿児島大学産婦人科生殖医療グループで修練、診療を行う。2019年医療法人愛育会愛育病院およびレディースクリニックあいいくに入職、2020年より院長。日本産科婦人科学会専門医、日本生殖医学会生殖医療専門医。
※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。
ご相談ありがとうございます。
治療も年単位でがんばっておられ、移植方法を工夫してもらっているのですね。
ただ、なかなか結果が出ず、さらに何かサプリなどご自分で努力できることはないだろうかというご相談ですね。
相談者様はもともと出産歴があり、妊娠できる体であることは過去の妊娠が証明していると思います。
AMHが年齢平均よりやや低めであり、採卵数が少ないこと、また、採卵できたとしても、43歳という年齢による1個の卵子あたりの妊娠率の低下が問題であると思われます。
そこを解決するには、胚盤胞の着床前診断であるPGT-Aを行うことをひとつはお勧めします。
これまで移植した胚が、そもそも出産に至る胚ではなかったことが年齢的には最も考えられるからです。
42-43歳では、良好胚盤胞のうち出産に至る胚は約20%程度と言われており、80%は見た目はきれいな胚盤胞であっても着床に至らないか流産する胚であることになります。
ですので、PGT-Aを行うことで、出産に至らない胚を移植せず、出産に至る胚と出会うまで採卵をトライするという考えです。
ただ、この方法では、経済的な負担が大きいのが難点です。また、胚盤胞の中でもかなりよい状態の胚でない限り検査できないことも考えられます。
もうひとつの選択肢としては、胚盤胞2個移植や、初期胚2個移植、二段階移植など、移植する個数を増やすのも可能性を高めるうえでは考えてよいと思います。
また、良好胚が何度も(3回以上)全く着床しない場合は、子宮内フローラやERAの検査もおすすめすることがあります。
詳細な経過によって、どのような検査や治療の戦略でいくかは異なりますので、通院中の先生もしくは、転院先の先生に聞いてみてくださいね。
栄養素、サプリに関してですが、基本的には妊娠を望むすべての方に葉酸サプリは必須と考えています。
ご相談者さまは、DHEA、コエンザイムQ10、PQQサプリを服用とのことですね。葉酸をもし摂られていなかったらおすすめします。
当院では採卵数の少ない方はDHEAやメラトニンなど、卵質不良の方は抗酸化作用のあるサプリ、着床がうまくいかない方は乳酸菌やビタミンDなどをおすすめしております。
ただし、サプリはあくまでも補助的なものであり、これを使ったら成績が著明に改善したというような特効薬的なサプリは残念ながらありませんので、食生活を見直したり適切な体重(BMI=22)管理ができるように指導しております。
最後に、ご相談者さまが納得のいく治療ができますように、そして、治療がうまくいきますように祈っております。