【Q&A】卵胞の育ち~政井先生【医師監修】

ふうみさん(32歳)

生理から8日目の卵胞チェックで16mmの卵胞が育っていると言われました。しかし、10日目には成長がとまっているようでHMG150を注射しました。13日目の卵胞チェックでも16mmの卵は育たず、他にいくつか卵胞が育ち始めたので、HMG150の半量を注射しました。しかし、15日目の卵胞チェックでは、今まであった卵胞が萎んでいると言われました。また、卵胞の数が減っているようだ、排卵はしてないようなのに。と言われました。育っていた卵胞が、萎んだり消えることはあるのですか?育っている卵胞をさらに育てていくにはどんなことに気をつけて生活していけばよいのですか?教えてください。
HMGを注射したのは、今周期で2回目です。前の周期は、2回のHMG150で14か15日目に排卵されたと確認済みです

政井先生にお聞きしました。

【医師監修】佐久平エンゼルクリニック 政井 哲兵 先生
鹿児島大学医学部卒業。東京都立府中病院、日本赤十字医 療センター、佐久市立国保浅間総合病院、高崎ARTクリニック 勤務を経て、2014年に佐久平エンゼルクリニックを開院。
※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください
ご相談ありがとうございます。
内容拝見しました。

まず、D8に見えていた16mmの卵胞らしきものが今週期育った新しい卵胞だったのか、前周期からある遺残卵胞だったのか、どちらだったかによって状況が変わると思われます。

新しい卵胞と遺残卵胞の判別をするために、通常は生理中(D3ぐらい)に卵巣チェックを行います。
これによって、すでに生理中に卵胞らしきものが見えていれば実はこれは前の周期の遺残であった可能性が高くなるかと思います
また、周期途中からHMGを添加することにより、その周期育ち始めていた主席卵胞以外にも複数の卵胞が遅れて育ってくることがあります。
そうすると、例えば、先に主席卵胞が育って排卵した後、後から遅れて育ってきた卵胞が中途半端に残った場合に遺残卵胞として翌周期に残ったりする場合があります。
HMGを足す場合は、主席卵胞が育ち始めるより前に卵胞リクルートの段階(今週期のメインの卵胞が選ばれる前)から始めることで複数個の卵胞が同じペースで育つようになってきます。
ただし、タイミング法や人工授精を目的とする場合はあまり数が育ちすぎても今度はキャンセルのリスクも高くなるため、HMGの投与量のさじ加減が難しかったりします。
その点については担当の先生とよくコミュニケーションを取りながら進めていただくのが良いかと思います。
途中まで見えていた卵胞らしきものが消える、縮む原因としては、それ自体が遺残卵胞だったり、閉鎖卵胞といって、今週期選ばれない消失する運命の卵胞だったりする場合が考えられます。
通常ヒトの場合、ある周期に排卵する候補となるいくつかの卵胞があって、その中から一つが選ばれて(これを主席卵胞と言います)排卵しますが、それ以外の多数の卵胞は途中まで成長してやがて退縮して消える運命にあります。
これを閉鎖卵胞と言いますが、今回たまたま見えていたものが閉鎖卵胞に至る途中の過程のものだった可能性はあるかと思います
HMGを投与すると、通常1個しかできない主席卵胞が複数個育ち、閉鎖卵胞に至る卵胞が減ることはよくありますが、HMGの投与量や投与方法が不完全だったりすると、逆に途中までは主席卵胞に向かうはずだったものが途中で閉鎖にスイッチが切り替わるなどの現象が起こるとされています。
一度閉鎖卵胞に向かったものは、残念ながら途中からHMGを足してもリカバーするのは難しいとされています。卵子が変性してしまったりするためです。
相談者様の場合ですが、これまでにも卵胞が育ちにくい、排卵しにくいなどの状況が何度かあるようでしたら、一度AMHを測定して卵巣の状態を評価してみた方が良いかと思います。
年齢が若いにも関わらずAMHが低い=卵巣機能不全が疑われるようでしたら、なるべく早めに体外受精など効果的な治療法にステップアップしていく必要があります。
>全記事、不妊治療専門医による医師監修

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