むにさん(31歳)
31歳、不妊治療3年目です。
左右の卵巣にチョコレート嚢胞、左右卵管閉塞のため、2年前に両側卵管形成術を行い、同じく2年前から体外受精を始めました。
これまで採卵は12回(アンダゴニスト法、ショート法、ロング法、低刺激法、PPOS法)を実施。採卵数は大体5~10個程度、そのうち8割は受精するのですが、2~3日目のフラグメントが酷く、3日目以降分割が止まってしまうため胚盤胞凍結がなかなかできていません。これまで12回の採卵で胚盤胞凍結できたのは5日目胚盤胞凍結が3個(4AB、3BB×2)、6日目胚盤胞凍結が1個 (4BA)です。
移植はこれまで7回実施。自然周期やホルモン補充周期にて新鮮胚移植、凍結胚移植を実施。凍結初期胚移植や凍結胚盤胞移植、二段階移植等を実施するもどれも着床すら至りませんでした。
この度、6月に採卵を実施し、顕微受精(ピエゾ)で2日目初期胚(G3、4分割)、6日目胚盤胞(5日目の時点で4BCだったが凍結基準を満たしていないためもう一日追加培養し、6日目4BAで凍結)の2つの卵を凍結。二段階移植(ホルモン補充周期)に向けて子宮内環境の検査のため子宮鏡検査、卵管造影検査、TRIO検査を予定。
子宮鏡検査では慢性子宮内膜炎は多少の発赤は認めるものの異常なし。治療するほどではないとのこと。
卵管造影検査にて右側卵管に卵管水腫、左側卵管は閉塞していることが判りました。
これまで良好胚を3回移植しても着床すら至らなかった経緯から、医師からは㼀㻾I㻻検査実施前に両側の卵管切除術を提案されており、思わぬ検査結果であっただけにとても動揺し、もう自然妊娠は全く望めなくなるという現実に卵管切除術を行うべきなのかとても悩んでいます。
この度質問させていただきたいのは、
1)2年前に両側卵管形成術を実施し、毎年1回子宮鏡、卵管造影検査を実施しており、昨年8月時点では右側卵管閉塞と左側卵管狭窄という結果でした。元々、右側の卵巣と卵管の癒着が酷いことは医師から指摘されており、病状の進行度合いを見ながら高刺激法での採卵を続けてきたのですが、卵管形成術を実施してもなお、およそ1年の間に卵管が閉塞し、卵もし、今後卵管水腫を除去せず温存したまま胚移植をした場合、やはり妊娠率は低下し、子宮外妊娠の確率が上がってしまう
2)もし、今後卵管水腫を除去せず温存したまま胚移植をした場合、やはり妊娠率は低下し、子宮外妊娠の確率が上がってしまうため、閉塞している左側卵管も含め医師から言われた通り、両側卵管切除術を実施した方が良いのでしょうか?
卵巣と卵管の癒着が認められている中、卵管切除術を実施すると卵巣に少なからずダメージを与えることとなり、今後も採卵を予定しているため、卵が採りにくくなってしまうのではないかとても心配しております。
3)これまでの経過から低刺激法、高刺激法を実施しても卵子はまだ獲得できているものの、卵子の質はとても良いとは言えません。卵巣、卵管癒着が多少なりとも卵巣に何らかの悪影響を及ぼし、卵子の質に影響しているのかについても、分かる範囲で教えていただきたいです。よろしくお願いいたします。
山下先生にお聞きしました。
【医師監修】山下レディースクリニック山下正紀先生 1980年、奈良県立医科大学を卒業後、京都大学産婦人科に入局。舞鶴市民病院産婦人科の医長として同院の生殖医療を確立後、神戸中央市民病院で産婦人科医長、体外受精チーフとして数多くの患者さんの治療にあたる。1997年、神戸三宮に山下レディースクリニックを開設。一般不妊治療から高度生殖医療にわたる初診から妊娠成立までを一人で担当し、妊娠したカップルは10000組を超える。キッズルームを併設し、2人目不妊にも対応している。
※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。
卵管水腫が認められ、
卵管水腫からの炎症性の液体が明らかに子宮に流れ込む状態があれ
(子宮鏡ではそれほどの所見でなかったようですが)
また卵管水腫になっている卵管は自然妊娠の期待ができるものでは
ご夫婦でよく話し合われて、