このめさん(35歳)
2年ほど前から夫に射精障害の傾向がみられ、一昨年秋頃から人工受精にトライしました。昨年春に妊娠しましたが流産しました。ちなみに3度目の流産です。私は不育症の疑いがあり過去に杉ウィメンズクリニックで検査をしていますが少し血流が悪い程度で決定的な原因は見つからず、妊娠して試すより他ないといわれました。夫婦とも遺伝子検査を受け異常なしでした。前回2度の流産は自然妊娠です。
夫の精子運動率が昨年冬頃から悪くなり、体外受精へのステップアップを決めました。先日はじめて採卵しやはり精子状態が悪く顕微授精を行うことになりました。夫は顕微授精ができるなら運動率が悪くてもいいのではといっています。通常の精液検査しか受けたことがないですが、精子の質が流産や受精率に影響することはあるのでしょうか。元々問題がなかったのでいちど泌尿器科で診てもらった方がいいのかとも思うのですが、デリケートな問題でもあるのでなかなか切り出せずにいます。精子が低下する要因や詳しい検査をするメリット、飲んだ方がいいサプリなどがあれば教えていただきたいです。
また、先日、低刺激による採卵で2つ卵子を獲得したものの、受精卵になったのは1つで胚盤胞まで至らず移植ができませんでした。次回の採卵は高刺激を試した方がいいのでしょうか。主治医からは高刺激で卵子を沢山とっても質が良い卵の数としてはあまり変わらないので低刺激でもいいのではといわれています。
寺井先生に聞いてきました。
泌尿器と男性不妊のクリニック 寺井一隆 先生
2002年順天堂大学医学部卒。杉山産婦人科の生殖医療科( 新宿)などへの勤務を経て、 2022年4月に泌尿器と男性不妊のクリニックを開院し、 院長に就任。全国でわずかしかいない泌尿器科の男性不妊専門医として多くの不妊に悩む男性患者さんの気持ちを汲み取った診察を行う。日本生殖医学会生殖医療専門医。
2002年順天堂大学医学部卒。杉山産婦人科の生殖医療科(
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運動率の低下については、なぜ運動率が低下しているのかを考える必要があります。
精子を作っている精巣に問題はないのか超音波を行ったり、男性ホルモンなどのホルモンの値を測定するために血液検査を行う ことで、なぜ運動率が悪いのか考えます。
また、運動率が悪くなってしまっている場合、 精子頭部に存在する、子供の体を作るため設計図となるDNAにダメージを受けてしまっ ている精子の割合が増えている可能性があります。(質が悪いと言い換えることもできます。)
このようなことがあると、顕微授精を行ったとしても、胚盤胞に到達する精子の割合が低下したり、流産率が増加してしまうことが知られています。