多囊胞性卵巣症候群かも。不妊治療は早めに始めるべき?
多囊胞性卵巣症候群には、どのような検査方法がありますか?
岩見先生● 多囊胞性卵巣症候群は、月経不順を感じている若い女性にとても多い原因疾患です。診断のためには超音波検査で、卵巣に複数の小卵胞がないかを確認します。そのほか、無月経や月経不順といった月経異常の有無、ホルモン異常の有無で診断を確定していきます。ホルモン異常については、男性ホルモンが高いことや卵胞を育てるFSH(卵胞刺激ホルモン)は正常にもかかわらず、排卵を司るLH(黄体化ホルモン)が高値であることが診断基準となっています。
早めに不妊治療の病院へ行くべきなのか、迷っていらっしゃいます。
岩見先生●早く不妊治療の病院へ行かれるのがいいと思います。というのも、多囊胞性卵巣症候群の患者さんは軽症から重症まで幅があるからです。月経不順の背景が多囊胞性卵巣症候群の場合、なかなか卵胞が発育しにくい排卵障害や高温期を維持する黄体ホルモンの分泌が低下する黄体機能不全などが不妊の原因として挙げられます。この場合には適切に排卵誘発剤などのお薬を使用することで良い卵子が排卵し、妊娠への近道になると考えられます。また月経が不順の場合には子宮内膜に内膜ポリープなどができ着床不全の原因となっていることもあります。キー太さんは年齢も若く、卵子もたくさんあるほうなので、数年で妊娠率が下がることはないですが、早期の妊娠を望まれるなら不妊治療の専門クリニックを受診することで、よりその可能性が高まると思います。
岩見先生なら、どのような提案を?
岩見先生●母乳を出すホルモンのプロラクチンが高い高プロラクチン血症がかかわっていたり、甲状腺ホルモンが不安定なために月経不順が起きていたりする場合があります。ホルモン検査で、ほかの疾患がないかについても確認する必要があるかと思います。当院では検査を提案させていただくことが多いです。そのほか、排卵誘発剤の効果とも関連するインスリン抵抗性などの有無や、卵管の通過性を調べる検査、男性因子の有無についても早期に調べておくことをおすすめいたします。
また、基礎体温をつけることで排卵の有無をみる指標になります。不妊治療の病院を受診されるまでの間、アプリなどで記録されるのがおすすめです