2人目不妊について

軽度の精子無力症。人工授精を続けていく意味はありますか?

saaさん(28歳)2人目妊活を始めて約1年9カ月。最初は近くの婦人科で検査を行い、タイミング法半年、排卵誘発剤タイミング法半年、人工授精3回行いましたが陰性でした。その後、不妊治療専門クリニックへ転院。血液検査、子宮鏡検査異常なし、卵管造影検査も両側とも通っていました。1人目を妊娠し、20 代でAMH値4.1ng/ml ということもあり、人工授精から開始。軽度の精子無力症といわれ、濃縮すると運動率は上がったのですが、「人工授精の意味はあるのかな?」と思い毎日考えてしまいます。
ノア・ウィメンズクリニック 田中 宏明 先生 聖マリアンナ医科大学卒業。慶應義塾大学病院、東京歯科大学市川総合病院リプロダクションセンター、海老名総合病院などで約25 年間にわたり不妊と周産期医療に携わる。2018年、ノア・ウィメンズクリニック院長に就任。一人ひとりの生き方に配慮した、オンリーワンの診療に努める。医学博士(大阪医科大学)、日本産科婦人科学会認定専門医。

以前通っていた病院で人工授精を3回行って陰性だったということですが、やはり精子が原因だったのでしょうか。

田中先生●人工授精を行う前は必ず精子の数や運動率をチェックします。どのような施設でも検査をしないで実施するということはないでしょう。
 その時に医師から何か指摘はあったのでしょうか。特に精子に異常は認められず、人工授精を通常通り実施したというのであれば、男性側の原因でうまくいかなかったということは考えにくいですね。

転院先のクリニックでは軽度の精子無力症と診断されたようです。

田中先生●WHOの精液検査の基準値によると精子の運動率は42%以上が正常値とされています。おそらくその基準値を少し下回っていたのでは。
 以前の検査では問題がなかったということ。今回初めて基準値以下だったということは、たまたまということも考えられます。精子の状態は、体調に左右されることがよくあります。もし検査の時に疲れていたり、寝不足だったりすると悪い数値が出ることもあります。
 1回目の検査で良くない結果が出た方はもう一度検査をすることが多いのですが、s a aさんのご主人の場合、濃縮したら運動率が上がったそうですね。それなら人工授精をされても問題はないと思います。

人工授精をする意味はあるということですね。では、まだしばらく同じ治療を続けていってもいいのでしょうか。

田中先生●28歳という年齢なら、人工授精に4~6回程度トライされてもいいと思います。ただ、ご本人はなかなか結果が出ずに少し焦っていらっしゃるようですね。
 現段階で、ご夫婦は積極的なステップアップを考えていらっしゃるのでしょうか。今回が人工授精4回目。当院であれば「体外受精まで考えていらっしゃいますか?」「お一人お子さんがいらっしゃるので、このまま今の治療を進めていきますか?」というお話をして、あとは患者さんのご希望に沿った形で治療を進めていくケースが多いですね。
 人工授精は回数を重ねれば妊娠率が上がるという治療ではありません。年齢が20代とまだ若く、自然妊娠の経験があり、AMH値も問題がない。今体外受精にトライすることで早期に妊娠される可能性は十分あります。体外受精は保険適用で経済的なハードルが少し下がったので、そろそろステップアップを視野に入れてもいいのかもしれません。
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不妊治療に関するドクターの見解を取材してきました。