胚盤胞を移植しても着床しない

自然妊娠で着床しても胚移植で着床しません。
タイミング法がいいの?

相談者 : りんさん(39歳)この3年間に、5回の自然妊娠で2人目を妊娠しましたが、妊娠後に稽留流産を繰り返しています。不妊症の検査も問題はありませんでした。AMH も低くありません。去年から体外受精を始め、4回胚盤胞を移植しましたが、まったく着床しません。今年も自然妊娠しましたが、稽留流産となり、手術をしました。年齢的に胚に問題があるのかもしれませんが、自然妊娠では着床するのに、胚移植では妊娠しないので、タイミング法に戻したほうがよいでしょうか?
英ウィメンズクリニック 岡本 恵理 先生 大阪市立大学医学部、同大学院の医学研究科修了。大阪市立大学医学部附属病院、大阪市立住吉市民病院、大阪府済生会千里病院の各産婦人科を経て、2007 年1月より英ウィメンズクリニックに勤務。2013 年6 月に妊孕能温存部門部長。2020年12月より英ウィメンズクリニック副院長に就任。
自然妊娠と稽留流産を5回繰り返されているそうです。
岡本先生●流産の原因がわからないので治療法もわからず、とてもつらくもどかしい状態だとお察しします。不育症検査は問題ないとのことですが、本当にすべての検査をしておられるのかどうかが気になります。
 不育症検査は先生や病院によって、検査内容に多少違いがあります。一般的には、子宮形態の異常、血液凝固系の異常(抗リン脂質抗体症候群など)、ホルモン異常、免疫異常、ご夫婦の染色体異常について調べます。
 そのなかでも、ご夫婦の染色体検査がまだでしたら、ぜひ受けていただきたいと思います。検査の結果、染色体に「構造の異常」があるのなら、着床前診断(PGT -SR)をおすすめします。
自然妊娠では着床し、体外受精で着床しない場合、タイミング法にステップダウンしたほうがよいのでしょうか。
岡本先生●自然妊娠できる方が体外受精を行うメリットは、流産を避けるために着床前胚染色体異数性診断(PGT -A)を行うことだと思います。不育症検査でご夫婦の染色体に問題がなければ、胚盤胞の染色体の「数の異常」を調べるPGT -A を検討されてはいかがでしょうか。
 また、PGT -A を行わず、流産の原因が不明なままであれば、タイミング法へのステップダウンをおすすめします。その場合も、病院で診察と必要な治療を受けながら自然妊娠を目指しましょう。
 治療としてできることは2つ考えられます。一つは「黄体ホルモン投与」です。妊娠初期のホルモン値を測定し、不足していれば、飲み薬で黄体ホルモンを補うことにより、流産を防いで妊娠を維持する効果が期待できます。
 また、原因不明の不育症の方には、臨床試験が進行中です。新規登録は終了していますが、独自で治療を行っている病院もあるので、担当の先生に行っている病院を紹介してもらうのもよいでしょう。ただ、自費診療のため高額な治療になります。
最後にアドバイスをお願いします。
岡本先生●5回流産していても、50%の方は次の妊娠で出産可能というデータがあります。2人目ということですので、一度は出産できていることを考えると、今後も十分出産できる可能性はあると思います。ただ、年齢とともに流産率はさらに上昇していきますので、できるだけ休まずに妊娠を目指していってください。
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不妊治療に関するドクターの見解を取材してきました。