凍結胚盤胞について

凍結胚盤胞移植か破棄して採卵するか、悩んでいます……

相談者 : めいさん(40歳)18 年前に子宮外妊娠で左卵管切除。1人目は2020 年に自然妊娠、出産しましたが、2人目がなかなか授からず、年齢も考慮して昨年から体外受精にトライしています。採卵1回目は胚盤胞のグレードが良くなかったため移植せず。2 回目は5 個中1個胚盤胞になり、移植して陽性反応後に8 週で稽留流産。術後、遺残があり、他院で現在フォロー中です。今の治療が終わったら、残りの凍結胚盤胞(グレードは良くない)移植か、破棄して採卵からまた臨むべきか、悩んでいます。
セント・ルカ産婦人科 宇津宮 隆史 先生 熊本大学医学部卒業。1988 年九州大学生体防御医学研究所講師、1989 年大分県立病院がんセンター第二婦人科部長を経て、1992年セント・ルカ産婦人科開院。国内でいち早く不妊治療に取り組んだパイオニアの一人。開院以来、妊娠数は 9,500 件を超える。
1人目は自然妊娠ですが、2人目がなかなか授からないのはなぜですか?
宇津宮先生●めいさんは、1人目を自然妊娠で出産できたこと自体が、とても奇跡的だったと考えられます。なぜなら、過去に子宮外妊娠で左卵管切除していますが、おそらく切除しなかった右側も相当なダメージを受けていると推測されるからです。妊娠が難しい背景があるので、2人目不妊は想定内であるということを、まずは自覚していただきたいですね。
40歳で体外受精にトライするも稽留流産。その後の処置や状況なども含め、先生の考えをお聞かせください。
宇津宮先生●体外受精を行ったことで妊娠までは至ったのだと考えられますが、年齢的にも染色体異常が流産の原因だった可能性は高いでしょう。遺残がある場合、当院では改めて掻爬を行って子宮内を正常な状態に戻します。他院でフォロー中とのことなので、胎盤ポリープを適切に処置していただくことをおすすめします。
凍結胚盤胞を移植するか、新たに採卵するか悩んでいるようです……。
宇津宮先生●胚盤胞を凍結するというのは、赤ちゃんになる可能性があるから、というのが前提です。可能性がある以上、そこに存在している胚盤胞は「自分の子ども」だという認識をもつべきではないでしょうか。当院ではガードナー分類でBCやCBなど1つでもCが入っていた場合でも、通常は凍結します。それは、胚移植をすると約3割は妊娠することをデータで示しているからです。「破棄」という言葉の重さと、赤ちゃんになる可能性があるからこそ凍結しているのだということを、忘れてはいけません。
今後の治療について、アドバイスを
宇津宮先生●私が主治医なら、まずは残りの凍結胚盤胞を移植し、結果が出なければ改めて採卵することを提案します。そして、年齢や今までの治療の経緯から見ても、治療の終結という選択を考える時期にさしかかっていることを意識していただきたい。40歳を過ぎると3〜4カ月ごとに妊孕能力は下がっていく一方であり、時間的余裕もなくなっていきます。治療内容や治療の意味を一つひとつよく考え、スピード感をもって、後悔のない選択をしていただきたいと思います。また、保険適用になった生殖補助医療は、移植回数の制限がありますので患者さんとよく話し合って移植するか否か決めるべきです。
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不妊治療に関するドクターの見解を取材してきました。