排卵せずに残った 卵胞は自然に消えるのでしょうか?

相談者 : リナさん(26歳)妊活歴1 年。タイミング6回、人工授精5回、すべて陰性でした。卵胞はクロミッド®で育てています。人工授精5回目の時、卵胞33mmで実施。その後、排卵確認時に卵巣の腫れがあり62mmでした。生理がきて、次の人工授精にトライしようとしたところ、まだ25mmの卵胞が残っていました。先生曰く、そのままで消失するとのことで今周期はお休みになりました。卵胞は自然に消えるものなのか、また、体外受精にステップアップしたほうがいいのか悩みどころです。
ノア・ウィメンズクリニック 田中 宏明 先生 聖マリアンナ医科大学卒業。慶應義塾大学病院、東京歯科大学市川総合病院リプロダクションセンター、海老名総合病院などで約25 年間にわたり不妊と周産期医療に携わる。2018年、ノア・ウィメンズクリニック院長に就任。一人ひとりの生き方に配慮した、オンリーワンの診療に努める。医学博士(大阪医科大学)、日本産科婦人科学会認定専門医。
前周期の卵胞が残っていたということですが、これはよくあることなのでしょうか。
田中先生●いわゆる黄体化未破裂卵胞(LUF)というものだと思われます。卵胞は発育するのですが、最後の段階である排卵、つまり膜を破るというところでうまくいかなくて、排卵せずに残ってしまったと考えられます。
 卵巣が腫れたとありますが、LUFを起こすとリナさんのように次の周期まで影響を及ぼし、人工授精が中止になることもあります。
 リナさんは多囊胞性卵巣症候群(PCOS)と診断されているとのこと。PCOSの方は比較的LUFを起こしやすい傾向がありますが、健康な女性でも約7%、年に1回程度あってもおかしくないといわれています。今回だけなら気にされる必要はありませんが、2回、3回と続くようであれば対策や工夫が必要になってくるかもしれません。
排卵せずに残っている卵胞は自然に消えるのですか?
田中先生●未破裂の卵胞は次の生理がくれば縮小することが多いのですが、次の周期まで残ってしまうケースもあります。なかなか小さくならなければホルモン療法などを行うことがありますが、それをすると次の周期も排卵が起きないので、2周期丸々治療をお休みすることになります。あっていいことはありませんから、続く方はLUFが起こらないように対策したほうがいいと思います。
具体的にはどのような対策をとっていったらいいのでしょうか。
田中先生●このような方はしっかり排卵を起こさせることが重要です。現在、クロミッドRを使って排卵誘発をされているようですね。もしかしたらこのお薬が合っていないのかもしれません。もしLUFが続くようであれば、HMG製剤の注射に切り替えるなど誘発方法を変えてみてはどうでしょうか。そうすることでLUFが生じにくくなる場合もあります。
 リナさんはタイミング療法6回を経て、人工授精5回目という段階。誘発方法を変えてあと1、2回人工授精にトライして、もし結果が出なければ体外受精による治療を視野に入れてもいいかもしれません。年齢的にまだ若く、卵子の質は良いと思いますので、体外受精にステップアップしたらすぐ妊娠されることも考えられます。同じ治療を続けることで、ストレスが大きくなることもあるので、期限を決めて治療されてみてはいかがでしょうか。
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不妊治療に関するドクターの見解を取材してきました。