保険適用になり、妊娠率は変わりませんか?

保険診療にまつわる 疑問・悩みにお答えします!始まったばかりでわからないことが多い保険診療。

編集部にもたくさんの疑問・質問の声が届いています。

その中からピックアップして  ドクターたちにお答えいただきました。

保険適用になり、使用できる薬剤が限定されたと思いますが、妊娠率は変わりませんか?
神田ウィメンズクリニック 清水 真弓 先生 信州大学医学部卒業後、東京女子医科大学産婦人科にて産婦人科専門医・医学博士取得。その後木場公園クリニックに6年勤務し生殖医療専門医を取得。2020年に神田ウィメンズクリニックを開設し院長に就任。「スタッフが親身で結果も出すクリニック」をモットーに、妊活初心者でもわかりやすく、また働きながら妊活する女性も通いやすいクリニックを目指して日々診療にあたっている。

今のところ変わっていません

 体外受精の保険適用が始まったのがこの4月ですが、これまで当院で主に使っていた薬剤はほぼ保険適用になったので、今のところ妊娠率は変わっていません。ただ、これまで使っていたすべての薬が保険適用になったわけではないので、制約が出たことは確かです。また、保険適用となった薬でも、薬の使い方、たとえば低刺激周期でのクロミッド®の場合、当院では採卵決定日までロングで使う場合が多いのですが、月経中から5日間だけ投与可能と査定を受けるなど、薬の使い方に制限が出た部分もあります。

保険診療では薬剤だけでなく採血や超音波検査の回数制限もあり、制約の中で妊娠率を落とさないようにするための工夫が必要になったと感じています。

また国からの情報も適宜追加・修正されるのでその対応に追われたり、一部薬剤が供給不足で品薄が続いたりと、過渡期ならではの緊張感があります。

変化に適応する柔軟性が問われていると思いますし、保険診療が今後の主流になっていくのなら、保険適用になっていない薬剤・用法や治療法なども国に働きかけて、保険診療をより良いものにしていく姿勢が必要だと思います。

女性の年齢にもよりますが、保険範囲内の治療でもかなりの方が妊娠可能

私が推測するに、20~30代の方の多くが保険適用内の体外受精で妊娠できると考えています。もし、保険適用となる移植6回が終わっても妊娠に至っていない場合は、自費診療に移行されるか検討するといいでしょう。その場合も保険診療での振り返りや蓄積を活かした治療ができると思います。

もしくは、移植6回不成功の場合は、転院してみるのも手だと思います。誘発方法や培養液・培養士の手技などが変わることで結果が出ることもあるからです。これは患者さんの体質との相性のようなものではないかと思います。主治医は患者さんに自施設・他施設に限らず、妊娠していただきたいと思っているので、転院に対して後ろめたく思う必要はまったくないと思います。

いずれにしても、保険診療で不安に感じることがある時は、一人で悩まず、主治医の先生やスタッフに相談してみてくださいね。

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不妊治療に関するドクターの見解を取材してきました。