採卵5 回、移植2 回したが妊娠に至らず。卵巣の刺激法を変えたほうがいい?
今まで採卵を5 回、移植を2 回しましたが、妊娠できず。採卵前のトリガーは変更したが、いずれも同じ卵巣刺激法とのこと。この場合、次回の採卵ではどういった方法を選ぶのがいいかを高崎ART クリニックの久保先生のご意見を伺ってみました。

ドクターアドバイス
●PPOS などの刺激法を試す価値はあり。
●主治医を信じて治療に臨むことが大切。
良好胚が採れているなら今の治療法を続けてみては
hachiさんの相談内容をみてどのような印象をもちましたか。
久保先生●hachiさんは、ご自身でも採卵時のデータや、使用している薬の名前などを細かく記載する、セカンドオピニオンを受けるなど、積極的に治療に取り組んでいてすばらしいと思いました。サプリメントも取り入れていて、41歳でAMHの数値も2.02ng/mlと高いのも、妊娠に向けて期待がもてる数値だと思います。
排卵誘発法についてセカンドオピニオンと主治医で意見が異なっていますが…
久保先生●hachiさんご自身は、未熟卵が多いこと、高刺激なのに採卵数が少ないことを気にしていますよね。でも1回目と4回目の採卵時に胚盤胞を凍結できていますし、5回の採卵で初期胚凍結もトータルで4個できています。妊娠するには、1つ以上の良好胚があればOKです。胚のグレードがわからないので、はっきりとしたことは言えませんが、ダブルトリガーでこれだけ受精卵が採れているのであれば、主治医が選択する治療法をしばらく続けてみていいと思います。「高齢の患者さんにロング法だと成績がいい」とセカンドオピニオンの先生はおっしゃっていますが、高齢の患者さん全員にあてはまるわけではありません。恐らくこの先生はご自身の経験から、この話をしているのでしょう。それは1つの意見として頭に入れておくのはいいことだと思います。ただ、hachiさんの体の特徴や培養スピードなどを把握しているのは、主治医です。トリガー法を変えて未熟卵問題を解決するなど、いろいろとトライしてくれる先生だと感じたので、もう少し続けてみていいと思いました。
主治医と積極的にコミュニケ―ションを
もし久保先生がhac hiさんの主治医だったら、どのような治療を提案しますか。
久保先生●そうですね。まず思ったのが、5回採卵しているのにまだ2回しか移植していない点です。「若いうちに卵子の貯金をしておきたい」という気持ちはとてもよくわかります。でも移植すれば「妊娠しているかも」という気持ちが生まれ、モチベーションを高める効果があります。胚盤胞を含む凍結胚が複数個できているなら、一旦、採卵をやめて移植することをおすすめします。
それで妊娠に至らない場合は、今までh a chiさんがトライしたことのない方法を、試してみると思います。たとえば卵巣刺激法ですが、今までずっとアンタゴニスト法だったそうなので、当院が基本としている低刺激法をやってみるのもいいと思います。また新しい卵巣刺激として増えつつあるPPOSを試してみるのもいいでしょう。アンタゴニスト法では、自然排卵を抑えるためにアンタゴニスト製剤を使いますが、長く使うと胚質の低下の原因に。その点、PPOSは、自然排卵を抑えるために黄体ホルモン剤を使用するため、胚質低下を防ぐことができます。
また、一般的には胚盤胞を戻したほうが妊娠しやすいといわれていますが、全員の患者さんにあてはまるわけではありません。もし胚盤胞でうまくいかない場合は、低刺激で採卵し、新鮮胚移植を試してみてもいいと思います。
次回の採卵に向けてのアドバイスをお願いします。
久保先生●どの先生も『患者さんを1日でも早く妊娠させてあげたい』と考え、患者さんの体の状態などを把握し、そのうえで最善の治療を提案しています。ただ、それぞれの患者さんの細かい傾向や、特徴を把握するには、一定期間、同じ治療をくり返す必要があります。治療をうまく進めるために主治医との信頼関係が大切です。わからないことや疑問に思うことがあったら、主治医や医療施設のスタッフと積極的にコミュニケーションをとってみてくださいね。