【Q&A】人工授精後、妊娠検査薬に反応するのはいつ?~政井先生

妊娠検査薬の結果、気になりますよね。

ついつい早めに見てしまったり…どう考えたら良いのでしょう?

政井先生にお聞きしました。

佐久平エンゼルクリニック 政井 哲兵 先生
鹿児島大学医学部卒業。東京都立府中病院、日本赤十字医 療センター、佐久市立国保浅間総合病院、高崎ARTクリニック 勤務を経て、2014年に佐久平エンゼルクリニックを開院。
※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。
erichaさん(29歳)
不妊治療を始めて4年半経ちました。
これまでタイミング法+クロミッド+ゴナトロピン5000注射を受けてきました。
2年前にタイミング法で妊娠したのですが、6週目で心拍確認できなくて、化学的流産との診断を受けました。
それから2度妊娠するも初期で流産してしまい、不育症の検査を受けたのですが、特に異常は見つかりませんでした。
わたし自身、5年前に子宮内膜異型増殖症と診断され、半年間ヒスロンHと子宮内膜全面掻爬術を計4回受け、4年前に寛解宣言を受けています。
担当の先生からは、妊娠しても手術をしているなどが原因で、着床しずらいかもしれないとのお話は受けています。
先日、ステップアップを行い、2/21に人工授精を受けました。
人工授精後、3日間感染症対策のため、抗生剤を飲み、2/23からデュファストン14日分処方されて現在も飲んでいます。
今日で人工授精を受けてから16日目です。
人工授精を受けてからどれくらいで妊娠検査薬に反応するのでしょうか?
わたし自身、フライング等をして検査薬で真っ白を見るのが怖くて検査薬使うことができません。
ご回答よろしくお願いします。
人工授精後に処方されたデュファストンですが、黄体ホルモンで着床を促進する目的での処方かと思います。
通常、胚が着床すると、胚から分泌されるHCGというホルモンがどんどん増えていき、これがいわゆる妊娠検査薬で妊娠反応として検出されます。
着床をしなかった場合はHCGが増えていかないので検査薬では検出されず、同時期ぐらいに生理がくる感じになるかと思います。
なので、着床して妊娠している状況であれば、デュファストンを飲み終わるころには妊娠反応が陽性にでると思いますし、逆にこのタイミングでもし出ていなかった場合は自然の生理が来るのを待ってもよいかと思います。
逆に、1週間以上過ぎても生理が来ない状況であれば再度妊娠の有無を確認してみる必要があるかと思います。
まれに排卵予測がズレていて、実際の着床が後ろにずれていたために検出されないというようなケースもあります。
その場合はいずれにしても1週間ぐらいの時間をおいて再度確認をしてみる必要があります。不妊原因についていただいた情報だけからは断定的なことは言えませんが、ピックアップ異常など検査では検出できない部分での問題はあるのかもしれません。
過去に3度流産の既往があるということは、いわゆる不育症の範疇に入るかとも思いますが、原因がはっきりしないいわゆる偶発的不育症というものが全体の2/3程あるとされています。
質問者様の場合は不育症の検査も受けておられるとのことで、少なくともこの検査で調べた範囲においては明らかな異常はなかったとのこと、よっていわゆる偶発的不育症といって原因が特定できないパターンなのかもしれません。

一方で偶発的不育症の中で頻度の高いものが胎児染色体異常によるものという意見もあります。
つまり、受精卵側の問題によってもともと妊娠が継続できる胚とそうでない胚が分かれますが、たまたま染色体異常を持った胚が3回続いたという考え方もできるかもしれません。
逆に考えると、3回の妊娠歴があるということは今後も妊娠をするチャンスは十分にあるという前向きな考え方もできるかもしれません。
患者様ご本人、パートナー、そして信頼できる先生と三位一体となってともに歩んでいくスタンスで取り組むことが重要です。

十分妊娠継続できてママになれるチャンスはあります!!

子宮内膜異形増殖症についてこちらは不妊治療とは別で非常に重要な疾患です。
いわゆる子宮体癌の前がん状態(がんになる手前)もしくはごく初期の子宮体癌という考え方もできます。

非常に重大な病気ではありますが、相談者様は5年前にこちらの病気になっておられますが、その後の治療で寛解もされているということで逆に不妊治療については安心して望んでいただいてよいのかとも思います。
内膜全面掻爬はいわゆる子宮体癌の診断法としてまた再発等の確認目的でも行う非常に重要な検査です。
内膜を掻爬するのでたしかに子宮内膜に傷をつけることになり状況によっては着床不全の原因(特にアッシャーマン症候群といって子宮内膜が傷つくことで癒着を起こし着床ができなくなる子宮性の不妊原因になることもあり得ます)になります。
ただ、質問者様はこの治療を5年前にされており、現在は寛解されていること、また、2年前には流産ではあったが妊娠をされたこと(全面掻爬の後に妊娠した事実があること)などから、この処置の影響は今のところあまり心配しなくてもよい状況なのではないかと思われます。今後のアドバイスとしては、確かに不妊治療の期間が長くなってきていることもあり、また検査ではっきりしないピックアップ異常など妊娠をしづらい原因が隠れている可能性も否定はできません。
もちろんこのままタイミング法や人工授精の治療を続けていくことも悪くはないですが、ある程度回数と目標を決めて、そこで結果が出ていなければ、体外受精にステップアップしていくことも視野にいれてもよいのではないかと思われます。

4月以降保険適応が開始になるとより多くの方が体外受精にアクセスしやすくなるとも言われています。
このチャンスをうまく生かして、ぜひママになっていただきたいと思います。
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不妊治療に関するドクターの見解を取材してきました。