【Q&A】治療方法について~高橋先生

不妊治療の検査で、特に問題がないとされながらも、子宮内膜症があるようです。

早く妊娠するためには、どのような方法があるのかな?

高橋敬一先生にお伺いしました。

高橋ウイメンズクリニック 高橋 敬一 先生 金沢大学医学部卒業。国立病院医療センター(現・国立国際医療研究センター)、虎の門病院を経て米国ワシントン大学に留学。1996年虎の門病院に復帰した後、1999年千葉市に不妊治療専門『高橋ウイメンズクリニック』を開院。2014年ベストドクター認定(ベストドクターズ社)。
※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。

るいさん(31歳)

結婚して2年目になりますが、授かることができません。
産婦人科で一通り検査をしましたが、特に大きな問題はありませんでした。
原因としては、卵管の通りがあまり良くないかもしれない、ということと、もともと子宮内膜症子宮筋腫(2〜3cmのもの)があります。
それが原因なら、生理をとめる方法もあると医師から言われましたが、少しでも早く授かりたいので悩んでいます。
どのように治療を進めていけば良いのか、アドバイスいただきたいです。

早期の妊娠を望んでお悩みなのですね。
結婚2年になるので、避妊をしていない時期が1年以上あるならば、積極的な不妊症の検査と治療をして良い状況です。
一通りの検査を受けているようですが、ホルモン検査、精液検査は正常とのことですね。
確認する追加検査としては子宮鏡が上げられます。
子宮筋腫があるようですが、子宮鏡や超音波検査で子宮内に筋腫が突出していなければ様子を見ても良いかもしれません。
次に、卵管の通りが良くないかもしれない、とのことですが、これが通気や通水検査での判断ならば、子宮卵管造影検査で確認する必要があります。
子宮卵管造影検査で卵管の通りが良くないと判断されているならば、その程度により対処法が異なります。
1)はっきりと卵管の通りが良くないならば、
  ①腹腔鏡手術が考えられます。子宮内膜症もあるようなので、その理由でも手術が選択肢になります。
  もし、手術を避けたいならば、
  ②すぐに体外受精、という選択肢になります。
2)卵管の通りはある程度は確認されている、
  ならば、積極的な排卵誘発(HMG注射や飲み薬)と、人工授精を開始してみる。
これを5~6回受けても妊娠しないならば、
  1)の腹腔鏡か体外受精、に進んで行く。大きな流れは、このようになります。
3)一方、子宮内膜症の程度が分かりませんが、
  チョコレート嚢腫が5cmを越えるほど大きな場合や、癒着がひどそうな場合には、
  手術か体外受精の選択肢になると思います。
ポイントは、内膜症の状態と、卵管の通りの状態の程度によると思います。
いずれにしても、早期の妊娠をご希望ならば、今後も積極的に治療を進めた方が良いと思います。
>全記事、不妊治療専門医による医師監修

全記事、不妊治療専門医による医師監修

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