【Q&A】他にできることはありますか?~吉田先生

不妊治療が長引く間に、胚盤胞到達率も落ちてきて、グレードも下がり気味なんてこともありますよね。

期間が延びれば、検査も増えて、サプリメントなんかも…

他に何かできること、どうしたらいいのでしょう?

吉田先生にお聞きしました。

吉田仁秋先生 独協医科大学卒業。東北大学医学部産婦人科学教室入局、不妊・体外 受精チーム研究室へ。米国マイアミ大学留学後、竹田綜合病院産婦人科 部長、東北公済病院医長を経て、吉田レディースクリニックを開設。2016 年1月に「仙台ARTクリニック」として移転・リニューアルオープン。
※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。
やえさん(35歳)33歳から治療を開始し、間もなく36歳になります。
片側卵管閉塞、男性不妊のため顕微授精から治療をはじめました。
現在までに採卵4回、凍結胚盤胞移植5回、凍結3日目胚移植2回実施し、3回目の移植で子宮外妊娠を経験しましたが、それ以外では化学流産さえない陰性です(胚盤胞2個移植も2回実施しています)。
今年に入ってからは2回採卵をしていますが、胚盤胞到達率も低下(15%程度)し、グレードもどんどん低下しています(この2回の採卵では、3bc、4ccしか凍結できませんでした)。
今まで、TRIO検査、銅亜鉛検査やビタミンD検査などの不育症検査など実施していますが、異常の指摘はありませんでした。
サプリメントは、DHEA、Lカルニチン、ラクトフェリン、ビタミンD、亜鉛など、病院で勧められたものはすべて取り入れています。
残っているのは3日目初期胚1つと6日目4ccの胚盤胞一つです。
2段階移植を行っていない病院なので、また採卵からになるのかなと考えているところです。
今後も治療を継続するとして、他にできることは何かあるのでしょうか。
一度妊娠はしていますが残念なから子宮外妊娠だった場合、反復着床不全の検査としてTRIO 検査を施行しており、異常を認めませんでした。
基本的には子宮内膜の厚さを 7~8mm 以上で胚移植をするのが一般的ですが、超音波での内膜の所見や状態は如何だったでしょうか。
年齢とともに胚盤胞のグレードが下がってしまいますが、誘発法を低刺激法などに変更すればグレードの改善を認める場合もあります。
Th1/2 や NK 細胞等の不育症の詳細な検査(私費)もありますので、可能な場合は検査を受けることもお勧め致します。
まずは現在凍結している受精卵の 2 段階移植を試みて、これで成功しなければ低刺激法で採卵を試みるのはいかがでしょうか。
>全記事、不妊治療専門医による医師監修

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