人工授精から体外受精へのステップアップのタイミングや、条件はあるの?
その時、刺激法はどれにしたらいいのだろう?
浅田先生に聞いてきました。
ことみさん(34歳)
8周期自己タイミングで妊活していましたが、陰性が続き、不妊専門クリニックで治療開始開始。 タイミング法3周期、人工授精4回ともに陰性。ストレスのため通院を一時ストップし、その間、自己タイミング4周期して陰性。 通院を再開し、人工授精5回目が陰性で、現在、人工授精6回目の結果待ちです。
もし今回も陰性だった場合、体外受精にステップアップするべきなのか、原因不明不妊ということもあり、決めかねています。
主治医に相談したところ、人工授精の陽性率は6回目以降も下がるのでステップアップした方がいいだろうとのことでした。 やはりステップアップした方がよいでしょうか?
また、その際の刺激法としては、人工授精でクロミッドを使用した周期でも卵胞がほとんど1個しか育たず、 2個の時が1回だけでしたので、毎日注射で刺激する方がいいだろうとのことでした。
高刺激には漠然と抵抗があるのですが、やはり低刺激ではない方が私の場合は妊娠を見込めるでしょうか? ご意見いただければ幸いです。
34歳でAMHが3.48ng/mlですから、卵巣予備能は悪くありません。
今までタイミング法や人工授精を何回かされていて、現在は6回目の人工授精の結果待ちということですが、不妊症でなければすでに妊娠している、と考えるべきです。
人工授精は、毎回行うごとに妊娠率が低下するわけではなく、回数を重ねるごとに妊娠する人が少なくなっていくということです。人工授精で妊娠される人の9割以上が5回目までに妊娠されているというデータがありますので、6回目で結果が出ないようであれば体外受精にステップアップすべきです。
良い卵が1個だけ選ばれて育つというのは、科学的根拠は全くなく間違っています。
体外受精においては、1回の採卵で採れた卵の数分だけ妊娠率が高くなります。
単純に考えて、体外受精で卵を10個採ることができれば、卵1個の時よりも10倍の妊娠率になります。ことみさんは34歳ですので一人の赤ちゃんを産むためには平均で13~15個の卵子が必要です。ただ、13~15個というのはあくまでも平均ですので、もっと多くの卵子が必要かもしれませんし、逆にもっと少ない数の卵子でよいかもしれません。
卵巣の刺激に漠然と抵抗があるということですが、低刺激、高刺激という言葉は適切ではなく、体外受精では卵巣予備能に合わせた適切な調節卵巣刺激を行う、と考えたほうが良いと思います。
妊活ではより高い妊娠率を求めて短時間で妊娠できる方法を確実に行うことが一番大切です。結果のでない治療を続けるよりも、結果にこだわり早く結果を出して子育てをしていただきたいと思います。