【Q&A】低AHMと手術について~浅田先生

浅田先生に聞いてきました

 

浅田レディースクリニック浅田義正先生  名古屋大学医学部卒業。1993 年、米国初の体外受精専門施設に留学し、主に顕微授精を研究。帰国後、日本初の精巣精子を用いた顕微授精による妊娠例を報告。現在、愛知県の名古屋駅前、勝川、東京・品川にクリニックを開院。著書に『不妊治療を考えたら読む本』(講談社)など多数。
※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。

ひらさん(38歳)
子宮筋腫4cm、右チョコレート嚢胞5cm、左に小さいチョコレート嚢胞。
子宮腺筋症もあります。AMHは0.82。
子宮にいろいろなものがありすぎて、今後は治療に不安しかないです。
手術せずに体外受精でもし妊娠することがあれば、チョコレート嚢胞も大きいので妊娠中に何かあったらという不安もあります。
採卵して手術して移植というのが、いい方法なのでしょうか?

38歳でAMHが0.82ng/mlということで、年齢の割に卵巣予備能は低くなっています。これはチョコレート嚢胞があることも原因の一つだと思います。

出典元:医療法人 浅田レディースクリニック

ただ、チョコレート嚢胞の手術をすると卵巣予備能はもっと低くなりますので、手術はしない方がよいと思います。

当院では、チョコレート嚢胞があると卵巣の血流を妨げ、卵胞の育ちを悪くする可能性があるので、チョコレート嚢胞の内容液を超音波下で穿刺、吸引してチョコレート嚢胞を小さくしてから、排卵誘発を行い、体外受精を行っています。

子宮筋腫が4㎝ということですが、子宮内膜を圧迫しているようであれば、子宮筋腫と子宮腺筋症が手術の対象になるかもしれません。

チョコレート嚢胞はそのままにしていると、妊娠中に感染症を起こしたり破裂をしたりすることもごく稀にありますが、子宮内膜症、子宮腺筋症については妊娠することで症状がよくなります。通常行なわれている薬物療法よりも非常に多いホルモンが分泌され、子宮が大きくなるにつれ卵巣周りの癒着が自然に剥がれることもあり、手術するよりもかなり効果的な治療をしていることになります。

以上のような理由により、手術はしない方がよく、できればチョコレート嚢胞の穿刺・吸引できるクリニックで治療されることをおすすめします

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