不育症の詳しい検査をすすめられています

4 年前よりIVF を実施。事故による大量輸血は不育症と関係がある?

いながきレディースクリニック 稲垣 誠 先生 1994 年、浜松医科大学医学部卒業。浜松医科大学医学部附属病院、鹿児島市立病院、聖隷沼津病院などで産婦人科医の経験を重ね、2012 年、不妊治療専門施設「いながきレディースクリニック」を開院。「お一人ひとりに寄り添いながら、それぞれの患者さまに合った最適な治療を心がけています」
相談者 : まあさん(45歳)2015 年7 月にAIH で第1 子を出産。2016 年7 月より第2 子不妊治療を開始。この4 年間IVF を実施し、3 回流産しています。また2019 年10 月に事故に遭い、2.3ℓの大量輸血を受けました。今年1 月の3 回目の流産後、主治医から不育症の詳しい検査をすすめられました。事故の際の輸血が不育症に関係しているのでしょうか。年齢的にも流産の可能性が高くなっているのは承知していますが、不育症の検査を受けることで、治療に新しい希望が見えてくるのでしょうか。

治療歴と不育症検査についてどう思われますか。

稲垣先生●根気よく治療を続けられている様子が窺えます。これまで不育症の原因を詳しく調べていないのならば、この機会にぜひ調べていただきたいです。
 というのは、原因がわかればそれに対するアプローチ方法が見えてきて、ご本人も安心できるからです。染色体の異常を調べるPGT -A も検討してください。胚の染色体数を評価し、異数性を示す胚盤胞を移植候補から除くことにより、流産のリスクが減ることが期待されます。さらには、妊娠率の向上、初回の妊娠に至るまでの時間の短縮が期待されます。
 一方、検査のために細胞を採取することによる胚盤胞へのダメージが心配されます。また、検査をしても染色体異常に起因しない流産は防ぐことができません。このようなメリット、デメリットを理解したうえで主治医に相談し、現在のクリニックでPGT -A を行っていないならば、主治医の了承を得たうえで、ほかのクリニックも併せて受診することをおすすめします。

事故による輸血の影響は考えられますか。

稲垣先生●輸血量から察するところ、生死にかかわるような大きな事故に遭われたようですね。出産時の大量出血は下垂体機能の低下・喪失を引き起こし、それが後の不妊や不育症の原因になることもあります。まあさんは事故の後にIVF を行い流産されているので、輸血が不妊や不育症の原因になっている可能性は少ないと思われます。

まあさんは40代半ばです。先生ならば、治療を続けるにあたってどんなアドバイスをされますか。

稲垣先生●一般的な認識として、40歳以上の流産率は40 %以上、45歳以上の流産率は45%以上といわれています。
 一方、不妊治療の最大の目的は子どもを授かることですが、もしそれが叶わないとしても、ご夫婦が納得してその後の人生を送れるように、できるだけの治療を行います。
 ですから、年齢で区切ってご本人の希望の芽を摘むようなことはしません。過度の期待をせず、現実的な見通しや可能性をふまえたうえで、冷静に治療に臨んでいただきたいと思っています。場合によっては、転院やセカンドオピニオンを求めてもいいでしょう。
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不妊治療に関するドクターの見解を取材してきました。