流産は、たった一度でも辛いものです。ましてや反復流産ともなると…

これ以上、繰り返さないために、そして次こそは妊娠~出産に向かえるように、何か受けた方がいい検査などはあるのでしょうか?

浅田先生がお答えします!

 

浅田 義正 先生名古屋大学医学部卒業。1993 年、米国初の体外受精専門施設に留学し、主に顕微授精を研究。帰国後、日本初の精巣精子を用いた顕微授精による妊娠例を報告。現在、愛知県の勝川、名古屋駅前のほか、2018年5月には東京・品川駅前にもクリニックを開院。
天使ベアさん(33歳)2014年妊娠後初期の流産、この時掻爬手術をうけ、不妊治療再開後、4回の採卵、7回目の移植にて昨年妊娠、やっと授かる事ができ、今年安定期に入る事ができホットしたのもつかの間、1月、17wで破水し、流産、死産してしまいました。
凍結胚を、破棄することはできないので、いつかお迎えしようとは思っているのですが、その際、不育の検査や、PGT-Aの検査を受けるべきか悩んでいます。
不妊治療再開に向け、受けた方が良い検査など参考までに教えて下さい。

2014年から現在まで、非常に長い間、様々な治療をされ大変だったと思います。

凍結胚をお迎えする際に、不育の検査やPGT-A検査を受けるべきか、悩まれているということですが、現在、流産そのものを防ぐ治療はありません。また不育症といってもはっきりとした原因があるわけでもありません。不育症とは、流産や死産を繰り返すことであり、病名ではありません。

長い期間、治療を行われ、少しでもゴールに近づくために様々な検査をされてきたかと思いますが、精索静脈瘤の手術は不妊治療においては、この手術をしたから妊娠率が上がるというエビデンスはありませんし、SEET法も効果があるという世界的エビデンスはありません。TRIO検査にしてもこの検査を行っている会社関連の論文がほとんどで、エビデンスレベルは非常に低く、PRP検査もエビデンスレベルは大変低いです。

様々なことを行えば、妊娠率が上がるわけではありません。

流産の原因としてはっきり分かっていることは染色体の数の異常なので、PGT-A検査は行うべきだと思いますが、PGT-A検査をして効果のある人は受精卵が数多くできる人です。しかし、天使ペアさんは33歳でAMHが0.4ng/mLと早発閉経予備軍の可能性が高いため、どのような刺激をしても多くの卵子を採ることは難しいです。

その周期で採れる卵子の数は、刺激が強い弱いなどとは関係なく、卵巣予備能に見合っただけしか採ることはできません。卵子は何もしなくても半年前から勝手に育っていますので、卵子を選び育てることはできませんし、注射を増やせば卵子の数が増えるというわけでもありません。ロング法等でも卵子が5個しか採れていないと記載があるので、まさしく予備能が低いので、注射を打っても結果は同じだと思います。

当院では、予備能が低い方には注射を打つメリットがないので、簡易の体外受精を中心に治療を行っています。

17wでの流産は、頻度は稀なことです。なかには妊娠中に病原性の菌に感染して急に子宮収縮が始まることがありますが、先に破水しているので、原因がはっきりしません。天使ペアさんが行った方がよい検査として、ご自身とご主人の染色体検査をお勧めします。ご夫婦にある均衡型の転座のようなものが原因で流産を繰り返すことがありますので、まずは流産が染色体異常に起因するものなのか調べてほしいと思います。

しかし染色体検査をしても、均衡型転座の頻度も非常に低く、原因不明であることが多いです。最終的には受精卵の染色体異常がなくても遺伝子の発現でどこまで育つか決まりますので、兄弟のように遺伝子の構成が少しずつ違う受精卵を移植して発育をみるしかありません。

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不妊治療に関するドクターの見解を取材してきました。