黄体ホルモンアレルギーについて

排卵誘発後の赤い発疹。黄体ホルモンアレルギーでしょうか?

英ウィメンズクリニック十倉 陽子 先生 2005 年関西医科大学医学部卒業後、東京北社会保険病院で臨床を受ける。その後、帝京大学医学部附属溝口病院へ入局。母子愛育会総合母子保健センター 産婦人科新生児科、帝京大学医学部附属溝口病院 産婦人科を経て、2011 年12 月より英ウィメンズクリニック勤務。2012 年8 月より女性医学部門部長就任。
相談者 : きりんさん(35歳)初期流産と人工授精後の死産を経験しました。その2 周期後に貯卵を目的にアンタゴニスト法で採卵。次の月経が8 日ほど遅れました。月経が始まる数日前から両ふくらはぎに赤い点々が出て、月経がきたら薄くなりました。月経後にクロミッド® とゴナールエフ®、HCG注射、子宮内膜が7mm のため、デュファストン® を服用。また両ふくらはぎと太ももの付け根、二の腕の内側にも赤い点々が出て、月経がきたら薄くなりました。これは黄体ホルモンアレルギーなのでしょうか。

採卵後に出る“赤い点々”についてどう思われますか?

十倉先生● 発疹の理由はおもに3つ考えられます。1つはご心配されている黄体ホルモンアレルギーの可能性です。世界的に論文報告がわずかにあるだけで、あまり詳しくわかっている病態ではありませんが、薬剤だけでなく、自己の黄体ホルモンに反応することもあります。また、症状が現れるタイミングも妊娠中、出産後、ピルの服用後などさまざまです。
 もう一つは、そのほかのお薬によるアレルギーの可能性です。人によってはお薬の成分などに反応し、発疹などの症状が現れることがあります。さらに、排卵後のお肌はとてもデリケートで、敏感肌の方は、体調や環境の変化で、赤みが出ることがあります。

きりんさんは、黄体ホルモンアレルギーなのでしょうか。

十倉先生●軽い発疹だけでしたら様子をみてもいいと思います。仮に黄体ホルモンアレルギーでも、軽い症状が続くか、または軽くなる、あるいはステロイド剤などで対処できることがほとんどのようです。
 一方で発疹が大きな水ぶくれになったり、咳が出る、呼吸が苦しいなど、症状が重くなるようでしたら、まずは皮膚科医に相談し、アレルギー検査や適切な治療を受けてください。

発疹と生理の遅れは関係ありますか。

十倉先生●採卵後の次周期は卵胞発育が遅れやすくなります。生理が遅れてもご心配はいりません。発疹と生理の遅れの関連性もないと思います。
 きりんさんは、子宮内膜が薄くなったために、黄体ホルモンを補うデュファストンRを服用されていますね。クロミッドRには卵胞を育てる作用もあるのですが、子宮内膜が薄くなってしまうこともあります。クロミッドR以外のお薬で人工授精をされれば子宮内膜が元の厚みとなり、妊娠率が高くなる可能性があります。子宮内膜とご自身の排卵後黄体ホルモンの値が問題なければ必ずしも黄体ホルモンを飲む必要がなくなり、ご質問のご不安は軽くなるのではと思います。
 また、35歳前後から年々妊娠率は低下していきます。人工授精を6回程度してもうまくいかないときは、体外受精を考えてもいいですね。お薬の量が少ない自然排卵周期の移植でしたら、発疹の悪化など万一のリスクを回避できると思います。
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不妊治療に関するドクターの見解を取材してきました。