排卵誘発剤と黄体ホルモン補充について~浅田先生

妊活中は、検査結果に一喜一憂してしまいがち…黄体ホルモンが若干低いという判定に、その後排卵誘発剤を服用すると、これまであった排卵がなかなか起こらなかったみたいです。心配な気持ちを浅田先生に聞いてきました!

浅田 義正 先生   名古屋大学医学部卒業。1993 年、米国初の体外受精専門施設に留学し、主に顕微授精を研究。帰国後、日本初の精巣精子を用いた顕微授精による妊娠例を報告。現在、愛知県の勝川、名古屋駅前のほか、昨年5月には東京・品川駅前にもクリニックを開院。
ラビさん(38歳)排卵誘発剤を使用する前は、自然周期で14日前後には卵胞20㍉程へ成長し、自然排卵していまし た。 セキソビットを初めて使用し、排卵まで18日かかり、次の周期には、セキソビットを増量しましたが、 さらに排卵までの期間が21日になりました。 そして先月はクロミッドを内服し、今度はかなり早くなり、10日目で18㍉になり、HCG注射で排卵とな り、ルトラールを10日内服しました。結局リセットしましたが、生理後も胸の張りがおさまらず、高温 期も続き、黄体ホルモンが残っているの?と思いました。 今までキッチリしていた周期が、ホルモン補充してから乱れてるため、一旦元に戻したいと先生に 相談し、今週期は排卵誘発剤を使用しませんでした。 すると、10日目での卵胞チェックでも、14日目での卵胞チェックも、全く卵胞が育っていません。 小さな卵胞すら見えず。ぼんやりとした10㍉ほどのものが見えるだけでした。 結局、クロミッドを飲むことになりました。 先生には、内服の影響では無い、年齢的なものあるし、育たない時もあると言われましたが、今ま で自然に卵胞が育ち、排卵ができていただけに、納得できていません。 内服は本当に影響ないのでしょうか? また、卵胞チェック10日の以前に排卵してしまっていたら、エコーでわかるのでしょうか? また自然排卵するようには、ならないのでしょうか?

セキソビットやクロミッド、レトロゾールを飲むのは妊娠率を上げるためです。

多くの論文で、内服によって確実に妊娠率が上がることが証明されています。

誤解していただきたくないのは、生理がきちんと来ているというのはホルモンの働きによるものであって、卵胞がきちんと育っていることとは別のことになります。卵胞自体は、排卵の約半年前から月経にかかわらず勝手に育っており、月経周期の時点でどれだけの大きさの卵胞が育っているかによって、月経から排卵するまでの日数に差が出てきます。また、前周期の黄体期の黄体ホルモンも、卵胞の成長に影響します。一番良い卵が選ばれて自然に育っていくというのは間違いで、そのようなことはありません。そのため、卵巣刺激によって確実に卵胞を育て、タイミングや人工授精に持っていくのが一般不妊治療で成績を上げる方法となります。ルトラールは、服用後もしばらく高温期が続くため誤解する方もいらっしゃいますが、これはルトラールがlong acting(長時間作用型)な黄体ホルモンだからです。各々の特性を理解したうえでいろいろな薬剤を上手に使用し、排卵・妊娠へ導くのがドクターの技量となります。

高度生殖医療(体外受精顕微授精)の場合は、血液中のホルモンの値をモニターして最適な卵巣刺激を行うため、確実に卵胞を育てていくことができます。一方、一般不妊ではホルモンの血中濃度を測らないため、“結果的”に良かった、悪かったというレベルの治療にならざるを得ません。ただ、薬を飲むことで妊娠率が高まるというのは、不妊治療の世界では常識だと思ってください。

自然排卵の方が良いという方であれば、不妊治療の必要はありませんし、それで簡単に妊娠するのであれば薬を飲む必要もありません。それではうまくいかないという方に対し、不妊治療を行っていると認識していただければと思います。

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不妊治療に関するドクターの見解を取材してきました。