左側しか排卵しないが左側が卵管閉塞です。人工授精で妊娠可能?
卵管造影検査で激しい痛みを感じたのはなぜ? 卵管閉塞の原因は?
造影剤は通りにくいと圧がかかるため、閉塞していると痛みが生じることがあります。それでも液体なので、右側が通っていれば右にスムーズに流れるはず。激しい痛みがあったということは、右側も通りにくくなっている可能性が高いと思います。
卵管閉塞は、細菌によって炎症を起こしている場合が少なくなく、性感染症のクラミジア感染症なども原因の一つとなります。こういった場合、片方だけが炎症を起こす・閉塞するのではなく、左右ともにダメージを受けている可能性があります。
排卵する左側の卵管が閉塞していた場合、妊娠できる可能性は?
左右どちらの卵巣から排卵しているかは、エコー(超音波検査)で確認できます。思い違いをしている方も多いのですが、排卵は「今周期は右の卵巣から、次周期は左から」と規則的に交互にあるとは限らず、ランダムなのです。手に右利き・左利きがあるように、卵巣にも働きやすいほうがあるようです。片側ばかり使われるといったことは、卵巣に限らず一対の臓器では、よくあることです。働きが弱いほうを、強いほうがカバーするようにできているのです。
もしも左側からしか排卵していないとしても、左の卵管を通らずに右の卵管から取り込まれる場合もあり、妊娠の可能性はもちろんあります。今後もタイミング法や人工授精を続けるなら、クロミッドRなどの排卵誘発剤を用いて複数個の排卵を促す、右側からも排卵するように刺激すると妊娠の可能性が高まるでしょう。
「できれば自然に近い方法で」と望んでいらっしゃいます。
卵管閉塞が不妊の原因であるとわかっているのなら、タイミング法から人工授精にステップアップしてもあまり意味はなく、妊娠率にも大差はないと思われます。自然妊娠を望むのであれば、手術で卵管の通りをよくすることも可能ですが、費用も時間もかかってしまいます。39歳というご年齢からしても、早めに体外受精・顕微授精をご検討されるのがベターではないでしょうか。
「自然に~」というお気持ちも理解できますが、受精する場所が体内か、体外かとの違いだけで、ご夫婦の卵子と精子から生まれた赤ちゃんであることに何ら変わりありません。「できるだけ早く」というのなら、ぜひご検討を。