コロナ禍での不妊治療

どうする?コロナ禍の不妊治療やワクチン接種

新型コロナウイルス感染症の影響を受け、子どもを望む女性がやむなく妊活の延期や中止を選択しています。ワクチン接種もスタートしたコロナ禍の今、妊活はどうすればいいのでしょうか?美加レディースクリニックの金谷先生に伺いました。

 

金谷 美加 先生 札幌医科大学卒業。東京大学医学研究所および札幌医大にて、不妊症、不育症に関する研究、治療、不育症、着床に関する研究にて博士号取得。2000年に美加レディースクリニック開院。「一人の女性、そして一人の母親として子どもがほしいと望む気持ちは十分にわかります。赤ちゃんを抱きたいのに思うようにいかないと辛い思いをされていたら、一度お話しにきてみてください」。身体的・精神的なケアにとどまらず、社会で活躍する女性のライフスタイルをトータルにサポートできるクリニックを目指しています。

コロナ禍の妊活は継続してもいいの?

当クリニックにも「妊活を止めます」といったお声がありました。また産科では、感染予防の観点から妊婦検診に支障がでたり、家族の立会分娩や面会に制限などがあるようです。「コロナのせいで計画が狂わされた」など妊娠や出産に対して多くの方が不安を抱えていらっしゃるようです。

コロナに関しては、妊婦だから特別に感染しやすかったり、重症化したりするという確固たるデータはありません。また胎児への影響も完全にはわかっていません。厚生労働省も過剰に心配しすぎず、ほかの人と同じように予防対策をしていくことを推奨しています。
ただ、自覚症状がない人でも感染力をもつのが、このウイルスの厄介なところ。
感染拡大を止めるには、人同士の接触を断つか、効果的なワクチンを多くの人に接種して感染しない人を増やすしかありません。

ワクチンを接種してから妊活をすべき?

すでにアメリカでは、妊娠中の女性がすでに5万人以上接種しています。安全性などについての情報はまだ限られていますが、「妊婦は感染した場合に重症化するリスクが高いうえ、アメリカで接種されているワクチンに特定のリスクがあるとは考えにくい」として、接種を認めています。
このようなことから日本産科婦人科感染症学会、日本産科婦人科学会より現状、「妊婦をワクチン接種対象から除外することはしない」と提言しています。
むしろ、感染リスクが高い医療従事者や、重症化リスクがある可能性がある肥満や糖尿病など基礎疾患を合併している方は、感染予防対策をしっかりと行った上でワクチン接種を考慮した方がいいでしょう。さらに、胎児形成期の妊娠12週まではワクチンを避けるといった提言がされています。
また、妊婦のパートナーは家庭での感染を防ぐために積極的に接種し、妊活中は妊娠する前にワクチンを接種するのがいいでしょう。

コロナのリスクも考慮し、ご夫婦で話し合いましょう

マスクを外して会話や飲食をせず、感染対策をきちんとしていれば、通院や移動でリスクが高まるとは思いません。
厚生労働省からは、「妊娠中に新型コロナウイルスに感染しても、基礎疾患を持たない場合、その経過は同年代の妊娠していない女性と変わりません」「感染した妊婦から胎児への感染はまれだと考えられます」と発表されています。
残念ながら妊婦に対しての十分な知見データなく、変異種が発見されるなど何が起こるかわからない中で妊活に取り組むのは不安かもしれません。しかし自分と同居する家族が守るべきことをしていれば、それほど高くはないと思います。
それでも心配な方はワクチンを2回接種するまでは、妊活を見合わせるというのも検討してもいいのではないでしょうか。

ただ、延期することで確実に年齢は上がります。
年齢やそれぞれのライフプランによって、妊活を継続するか、しばらく延期するかは変わってきます。
妊活や不妊治療は個々によって状況が異なるので、最終的にはご夫婦で判断されること。わからないことや困ったときは主治医に相談し、情報に振り回されず、できるだけストレスフリーな状況で妊活を送りましょう。

「あせり」は妊娠には好ましくないストレスとなります。生活習慣を整え、ヨガやウォーキングなどの適度な運動、良質な睡眠を心がけて妊娠しやすい体づくりに励むとよいでしょう。

 

金谷先生よりまとめ

感染対策をしっかり行い、夫婦できちんと話し合って
あまりストレスを抱えないようにしましょう。

ウイルスの流行の状況に振り回されて、ずっと心が落ち着かないというのも辛いですよね。
コロナ禍での妊娠・出産について、自身の年齢やライフプランから優先順位を考え、まずは正しい情報を集めてみましょう。
会食をしないなどルールをきちんと守っていれば、新型コロナウイルスもそんなに恐れる必要はないと思いますよ。

 

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不妊治療に関するドクターの見解を取材してきました。