Q 初期流産後にしたほうがいい 検査はありますか?
ドクターアドバイス
初期流産2回目ということを少し気に かけていらっしゃるようですが。
抗セントロメア抗体は細胞分裂の際に紡錘糸がつく部分に付着します。そのために細胞分裂を妨げる可能性があると考えられています。先天性のものだと思いますが、これが不妊や流産の直接的な原因になっているかどうかはわかりません。
ほかに考えられる原因や、受けたほう がいい検査はありますか?
稲垣先生 不育症とはちょっとずれるかもしれませんが、慢性子宮内膜炎や子宮内フローラの検査など、これまでと違った視点で着床障害の原因を探ることを検討されてもいいかもしれません。
当院でも、比較的良好な胚を何回戻しても妊娠されない方にはそういった検査をおすすめしていますね。なかには「受精卵を無駄にしたくないので移植前に受けたい」という方もいらっしゃいます。
検査をして慢性子宮内膜炎の診断が出た場合は、抗生物質のビブラマイシンⓇの内服が主な治療法になります。子宮内膜に炎症があると着床率が明らかに下がるので、調べてみる価値はあるでしょう。
また、子宮内フローラ、いわゆる子宮内の細菌バランスが乱れている場合は、ラクトフェリンやラクトバシルス(乳酸菌)のサプリメントを2~3カ月飲んで環境が改善したら妊娠されたというケースもあります。次の移植の前に子宮環境の再評価を。まだ凍結した胚盤胞が残っているとのこと。良好なものであれば、着床環境が解決したら一気にうまくいくかもしれません。
まだ調べられること、改善できること があるのですね。
稲垣先生 くろさんは身長153 cm で体重は 48kg と標準体型。肥満ややせすぎで はないのでその点は心配ありません。ですがほかに内科的なチェックをしていないようならきちんと健康診断を。糖尿病の傾向があれば、排卵や胎児に影響が出ることがあります。
妊娠するためにまず必要なのは健康体でいること。 21 歳の時には自然妊娠され ていますが、年齢を重ねて体は変化してきていると思います。食事や運動など日頃の生活習慣も見直して、万全の体制を整えましょう。