Q 自然周期による採卵と刺激法、 私の状態に合ったやり方は?
ドクターアドバイス
自然な形での採卵、刺激による採卵、
大島先生 基本的に体外受精、顕微授精 の妊娠率というのは、女性の年齢と採れ た卵子の数によって決まります。3年ほ ど前に発表されたアメリカの論文による と、かくさんくらいの年齢の方で卵子が15 個採れると出産までいく妊娠率が 35 % ととても高いのですね。
1個だと5%となっていましたが、自然周期による採卵だとその1個も採れるかどうかわかりません。このようなデータから考えると、刺激をして卵子をなるべく多く確保していったほうがいいのではないかと思います。
刺激法について、どんな方法を選んだ らいいのでしょうか。
大島先生 当院ではロング法はあまり採用していません。AMH(抗ミュラー管ホルモン)が 0.5ng/ ml 以下の低値の方はショート法、1 ng/ ml 以上あればアンタ ゴニスト法をご提案しています。それか ら最近ではもう一つ、デュファストンⓇ法という誘発法も実施しています。
生理の2日目からデュファストンⓇという黄体ホルモン剤を服用し、それに注射を加えていく方法で、治療費が安く抑えられるのが利点。アンタゴニスト法で排卵を抑える注射を定期的に打っても排 卵してしまう人でも、デュファストンⓇを飲むとしっかり抑えられます。
かくさんはまだ卵巣機能が高いようですから、アンタゴニスト法で刺激を強めにして、卵子をなるべくたくさん採る方向で考えてみたらどうでしょうか。
刺激法を選ぶ時はAMH値も目安に なってくるのですね。
刺激をすると卵巣のトラブルが起きる のではと心配されていますが。
大島先生 卵巣が腫れることを不安に思っていらっしゃるのでしょうか。ロング法やショート法だとリスクは高まりますが、アンタゴニスト法なら心配はほとんどありません。卵胞ホルモンの数値が上昇し卵巣が腫れそうになったら、点鼻薬で排卵させる。そうすればOHSSを起こすことはまずないでしょう。
自然周期採卵は薬を使わないので確かに体に負担はありませんが、採卵数は少なく、妊娠のチャンスも低くなります。採れる卵子の数やリスク回避など、バランスを考えたらやはりアンタゴニスト法が最適なのではないかと思います。