妊活の一歩はまず知ることから。妊娠・出産について、あなたはどのくらい知識がありますか? 〇×クイズで、妊娠の知識を高めましょう!
最新医学をもってすれば、40代 でも20代と同じように妊娠できる?
20代と40代では卵子の質の違いがあり、流産・死産率のリスクが高まる
ヒトの体を構成する細胞は約60兆個あるとされ、その多くは古いものから新しいものへと生まれ変わります。それが新陳代謝といわれる仕組みで、皮膚の細胞なら約1カ月で、骨の細胞なら約5カ月で入れ替わります。
ところが、なかには入れ替わらない細胞もあります。神経細胞や骨格筋細胞などがそうで、女性の生殖細胞もそのひとつです。精子は次々に新しいものがつくられますが、卵子はいわば生まれながらに“作り置きしたもの”をずっと体内に、それも冷蔵・冷凍されることなく、体温下で保存されている状態にあります。そのため、どんなに生活習慣に気を配り、若々しさを維持しようとしても、卵子の経年劣化からは逃れることはできません。
適したたとえではないかもしれませんが、箱に入ったみかんを想像してください。月日が経つにつれて傷むものが増え、食べられるみかんはわずかに残るだけ。冷凍すれば長く楽しめますが、常温のままで新鮮さを保つのは不可能に等しいのです。
卵子も同じです。確かに医学は進歩していて、平均寿命は格段に延びました。それでも、閉経年齢は昔とさほど変わりません。いかに医療が発達したとしても、女性が子どもを産める期間は残念ながら限られているのです。
卵子は、消費期限のある特別な細胞です。20代と40代では確実に鮮度(質)の違いがあり、年々妊娠率が下がり流産・死産率が高まるといったリスクが増すことを理解しておきましょう。
太っているよりも、痩せれば痩せるほど妊娠しやすい?
若い女性の3人に1人は“痩せ過ぎ”。実は、ややぽっちゃり型こそ健康的!
肥満が妊娠に悪影響をおよぼすことは、広く知られています。太り過ぎの女性には、糖代謝や脂質代謝に異常が起こりやすく、無排卵になることがあります。また、排卵がしにくくなる多囊胞性卵巣も、肥満とよく合併する病気です。さらに、糖尿病が疑われる人も排卵障害を起こしやすくなります。
だからといって、痩せているほど妊娠しやすいかといったら、そうではありません。実は、ややぽっちゃり型こそ健康的! ヒトの体は栄養・エネルギー不足に陥ると、真っ先に生命維持に必要な臓器を優先的に守るようにできていて、生殖機能は後回しにされます。その結果、月経不順や無月経になったりします。現在、若い女性の3人に1人は“痩せ過ぎ”であるとのデータもあります。
また、妊娠した女性の多くは「予想外だった」とのデータもあります。いわゆる“できちゃった婚”で結ばれるケースが少なくないのです。お腹の中の赤ちゃんが元気な子に育つためには、予期せぬ妊娠に備えて、婚前から健康維持に気遣う必要があります。
こうした背景から、「プレコンセプションケア」という考えが注目されています。いつ妊娠しても適応できるよう、若いうちから自らの体調を整えておこうという啓蒙です。ただ、誤解してほしくないのは、妊娠率を高めるためではないことです。
モデルのような痩せ体型を目指すのか、健康な子どもを産める母体を目指すのかは、あなた次第です。プライオリティー(優先順位)を決めて、理想の体型に近づけて!