Q P 4値と排卵日予測について 教えてください

臼井彰先生 東邦大学医学部卒業。東邦大学大森病院で久保春海教授の体外受 精グループにて研究・診察に従事。医局長を経て、1995 年より現 在の東京・亀有にて産婦人科医院を開業。

ドクターアドバイス

●生理周期が短い人はD2やD3など、もっと早い時期からチェックを。
●ホルモン補充周期なら移植日を確定しやすいと思います。
みもーさん(31歳)からの相談 Q.無精子症で顕微授精をしました。自然周期で5日目胚盤胞の 移植待ちです。排卵日を特定するため、排卵期であるD10 (生理周期が24日で早いです)に受診したところ、エコー では排卵済みで子宮内膜も10mm。 P4値が0.4ng/mlでした。 D12の受診では内膜12mm、P4は1.87ng/ml。「エコーで 診て排卵済みは間違いないので、排卵日はD10に設定して よいだろう」とのことでしたが、ネットでP4が0.4ng/ml= 排卵前の数値、1.0ng/ml以上で排卵済みという情報を見ま した。D12に受診した際の医師も「難しい判断」といって おり、「数値をとるのであればD11を排卵日に設定するのも よいと思うが、悩ましいね」といった感じで、はっきりとした 回答を得られませんでした。排卵済みなのにP4が1.0ng/ml に満たない点について、どう考えたらいいのでしょうか。

P4値の変化と排卵について、臼井先生 はどう思われますか?

臼井先生   D 10 の段階ではP4値は 0.4ng/ml ですから、数値的に見ればまだ排卵前と考えてエコーで卵胞を確認すると思います。 E2の値が200pg/ml 、300pg/m と排卵へ向けてピークになってきているのに、 P4値がまだこのように低い場合は排卵しているのか、それともまだ排卵前なのか、注意深く見ていくことが必要になるでしょう。

しかし、この日エコーでは卵胞が見えなかったとのこと。2日後のD 12 のP4値は 1・ 87ng/ml ですから、この時点ではすで に排卵済みということは間違いないと思いますね。D 11 はクリニックが休診日だった ようなので、排卵日はD 10 なのか、それと もD 11 だったのか、はっきりわかりませんが、 エコー診断を信頼するなら、やはりD 10 の 時点で排卵していたのではないでしょうか。

自然周期だと排卵日を予測しにくいので しょうか。

臼井先生 月経周期が整っている方だと比較的予測しやすいと思うのですが、みもーさんのように生理周期が短い方だと卵胞が早く大きくなっていくことがあります。
  ですから当院では、少し前から診察するよ うにしています。生理2日目か3日目くらいに一度来院していただき、卵胞の大きさや E2の値をチェック。その状況を見て、次の診察日を決めます。そして、 10 日目で子宮 内膜が 10 ㎜程度、卵胞径が 18 ㎜くらいになっ ていたら、HCG注射を打って移植日を1週間後に設定します。
  子宮内膜や卵胞、ホルモンの状態がスムー ズに進んでいけば来院していただく日数は少なくて済むのですが、生理周期が乱れがちだったり、ホルモンが安定しない方だと排卵日の予測は難しく、来院回数も増えてしまうかもしれません。

前回の移植時も今回と同じ条件で胚盤 胞移植をしたそうですが、

やはりP4値が低く、移植は実施したものの、結果は陰性だったそうです。

臼井先生 当院ではホルモン補充周期をメインで行っていますが、この方もきちんとホルモンを補充してから移植したほうがいいのではないでしょうか。どちらの方法でも妊娠率はほとんど変わりません。

自然周期による胚移植は使う薬の量が少なく、より自然に近い形というメリットがありますが、患者さんによっては前述したように来院日が増えたり、移植がキャンセルになってしまうといったデメリットも。

ホルモン補充周期の場合、薬による副作用も考えなければいけませんが、どんな方でも適応する方法で、通院回数が1、2回と少ないので、お仕事をしている方でもスケジュールを立てやすいと思います。先生と相談して、トライされてみてはいかがでしょうか。

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不妊治療に関するドクターの見解を取材してきました。