Q 顕微授精で着床しません。 どんな治療をすればいいの?
ドクターアドバイス
検査で問題がなくても、なかなか妊娠 に至らないのこのこさんのケース。
一般的には、 30 歳以下の年齢が若い人 の場合、たとえ男性側に不妊因子があっても顕微授精で胚移植をすると 70 〜 80 % は受精し、 40 〜 50 %は胚盤胞になります。 良好胚が得られて胚移植をすると 70 〜80 %は妊娠、 60 %くらいは出産まで至る ことが多いです。
しかし、のこのこさんのように、年齢が若く、検査では問題がなくても良好胚が得られない症例は少数ですがあります。そして、その原因はわからないことが多いのです。
先生がすすめるとすれば、どのような 治療法がありますか。
神谷先生 排卵誘発法にはロング法、ショート法、アンタゴニスト法などいくつもの方法があります。しかし刺激法を変えることが良好胚の獲得につながることはあまりないと思いますが、今まで試したことのない排卵誘発法や黄体ホルモン併用療法などを試したり、一度くらいは低刺激法や自然周期法で採卵してみるのもよいのではないかと思います。
それでも良好胚が得られない場合、過排卵誘発に戻して数多くの卵子を採卵 し、そのなかで少しでも良好胚を見つける方法しかないかもしれません。
ホルモン補充をしても、ホルモン値が なかなか上がらないことに対しては、どうすればいいのでしょうか。
神谷先生 ホルモン値は、たとえば卵胞ホルモンは120〜150pg/ml 以上、黄体ホルモンは 10 〜 12pg/ml 以上で十分 な値です。あまり気にしなくてもよいのではないでしょうか。それよりも子宮内膜の厚さ、形態のほうが重要です。
つまり、子宮環境を整えることが大切。酸化ストレス・抗酸化力検査を受けたり、卵子によい影響を示す抗酸化サプリを服用したりするのもいいかもしれません。抗酸化サプリには、アスタキサンチンやコエンザイム Q10 を含むものや、ビタミ ン E などがあります。夫婦でサプリを服用することも、一緒に不妊治療に取り組んでいく気持ちを強くするうえで効果的かもしれませんね。
子宮環境のためには、酸化ストレスを避け、規則正しい生活をし、健康な体づくりを心がけること。その積み重ねが不妊治療をよい結果に導くのではないでしょうか。