Q 高温期が 10 日しかないと 妊娠率はかなり下がる?

臼井 彰 先生 東邦大学医学部卒業。東邦大学大森病院で久保春海教授の体外 受精グループにて研究・診察に従事。医局長を経て、1995年より 現在の東京・亀有にて産婦人科医院を開業。
たまこさん(33歳)からの相談 Q.妊娠を希望してから4周期が経過しました。タイミング指 導でチャレンジしていますが、うまくいきません。現在も デュファストン ® を服用しながらの高温期中だったのです が、今朝の体温がガクッと下がり、今周期もダメそうです。 すごく気持ちが焦るなか、過去の基礎体温表を見直すと高 温期が平均して10日しかないように思います。高温期と は、排卵後に体温が上昇した日から体温が下降した日まで という計算でいいですか? それとも体温が上昇した日か ら生理開始日までが高温期? また、高温期が10日だと 妊娠率はかなり下がるのでしょうか。次回受診時に先生に も相談しようと思っているのですが、黄体機能不全高プ ロラクチン血症の診断は血液検査でわかるのでしょうか?

基礎体温の見方ですが、どのような変化 をしていれば正常なのでしょうか。

臼井先生 生理の開始日を1日目として、そこから低温期がだいたい 14 日間ほど続 きます。その後、排卵してから高温期が 14 日程度続き、再び次の生理が訪れます。これが正常なバイオリズムと考えられていますが、高温期は 10 日以上あればほぼ問題 はないと考えています。

黄体ホルモンには体温を上昇させる働きがあるのですが、このホルモンの分泌が減少すると体温が上昇しにくくなり、高温期が 10 日未満と短くなってしまうことも。 たまこさんは平均して高温期が 10 日程度 しかないということで、やや短く思えますが、温度差はどうでしょうか。

通常、低温期と高温期の温度差は 0.3 ~0.5 ℃あればよいとされていますが、 0.3 ℃未 満だと黄体機能不全の可能性があります。高温期の期間だけでなく、温度差もチェックされてみるといいでしょう。

高温期が短いと妊娠率は下がりますか?

臼井先生 高温期が 10 日未満の周期が続 くことが多く、黄体機能不全と診断された 場合、受精卵の着床に影響が出ることがあります。排卵後の卵胞が変化した黄体には、黄体ホルモン(プロゲステロン)などを分泌して、受精卵のベッドになる子宮内膜を厚くする働きがあるのです。これがうまく機能しなくなると着床率が低下することも。妊娠後はその維持にもかかわり、流産の間接的な原因になってしまう場合もあります。

基礎体温を測って高温期が短いとわかっ たら、どのように対処していけばいいので しょうか。

臼井先生 一度、高温期の中間(排卵後1週間後)くらいに採血をして、黄体ホルモンの値を測ってみるといいと思います。 10ng/ ml 以上あれば問題ありません が、5とか7など 10ng / ml に届かなかっ たら、その周期の黄体機能はよくないということ。妊娠を望まれているなら対処が必要でしょう。

どんな治療をしたらいいですか?

臼井先生 スムーズな排卵が起きれば黄 体機能も改善されるので、クロミッドⓇなどの排卵誘発剤を使用する、または黄体ホルモン剤で黄体補充をしていきます。

たまこさんも黄体補充としてデュファストンⓇを服用されているようですが、このお薬には体温を上げる作用はありません。毎周期体温が下がってしまうような ら、黄体ホルモンに加え、卵胞ホルモンも配合したプラノバールⓇのようなお薬を使 うと、もう少しきちんと高温期ができてくるでしょう。また、HCGの注射を使うことで黄体機能がよくなることがあります。

飲み薬や座薬、注射など、状態に合わせて対処法はいくつかあり、それらで黄体機能を回復させていけば心配はないので、先生に相談されてみてはどうでしょうか。

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不妊治療に関するドクターの見解を取材してきました。