ロング法で採卵の繰り返し。
数は 3 ~ 5 個と少なめ。
採卵数を増やす方法は?
誘発開始のタイミング
誘発の注射の開始日は、採卵数には関係ないでしょうか?なぜ 3 日目から?
内田先生 開始日は、点鼻薬をロング法で使用していたら何日目で開始しても関係ないです。
施設によって2日目も、5日目もあるかもしれません。
ただしショート法であれば、一般的には注射の刺激が早いほうが卵子数も多くなると言われていますから、2日目とか3日目のスタートになります。
採卵数を増やすために
はなさんは、採卵数が少なめなのが悩みのよう。増やす方法は?
内田先生 ロング法以外の排卵誘発法を試してみてはどうでしょうか。
今の治療法を変えないというのも間違いではないと思いますが、方法は一つではありません。
ロング法で問題点がないなら妊娠しているはずですし、そうでなければ、別の治療法をとりいれてもいいと思います。
当院では、近年ロング法を使う症例はとても少なくなっています。
理由は、卵巣の働きがある程度保たれていないとロング法では採れる卵子数が少なくなる場合が多くなり、逆にPCOの人たちは卵子数が多くなりすぎてOHSSのリスクが高くなるとされています。
着床環境を整える
内田先生は、どのような治療を考えますか?
内田先生 はなさんの場合、AMH値が表記してないので何とも言えませんが、今の排卵誘発法以外の方法を試し、漢方薬の種類を変えるなどすれば、卵子の個数や、育ってくる卵子の質に変化があるかもしれません。
その可能性に期待したいですね。
はなさんは8回の採卵で8回の移植ということなので、凍結保存している周期がないはずです。
そうであれば、移植しても妊娠しないのは着床条件の問題とも考えられます。
凍結保存しておいて、あえて胚盤胞移植をしない周期を作り、着床条件を変えるという考え方もあるかもしれません。
転院も視野に
受診施設を変えてみるというのも一つの選択では?
内田先生 住んでいる環境によっては病院が少なかったりしますから一概には言えませんが、変わった先の先生がどういう提案をしてくれるかですね。
デメリットよりも、変わることで何かが変化するかもしれないと思うならば、それもありだと思います。
施設を変えるタイミングをどのように判断したらいいでしょうか?
内田先生 打つ手がなくなり、手詰まりというような発言があった時でしょうか。
「本当に原因がわからないね」「どうしてかなぁ……」と言われたり、同じ治療の繰り返しになってきたりした時には考えてもいいと思います。
治療法は一つではないので、通う回数にこだわらなくてもいいかもしれません。
ただし、このような状況は、ご夫婦にとっての治療の限界が近くなっているとも考えられます。
ご夫婦で今後のことを十分に考えなければいけない時かもしれません。