クロミッドⓇを使用するか

人工授精をするのに クロミッド Ⓡを使うか 自然かで悩んでいます

福田 勝 先生 順天堂大学医学部・同大学院修了。米国カリフォルニア大学産婦 人科学教室留学後、順天堂大学医学部産婦人科学教室講師を経 て、1993 年福田ウイメンズクリニック開院。休暇と言えば愛犬を連 れて箱根でのんびり過ごすという先生。今年のGWも持ち込んだDVD を見たり、奥様とゴルフをされる予定だそう。「自然の中と言っても普 段の暮らしの延長。温泉も僕はカラスの行水だからね…」とのことで すが、リフレッシュしてきてくださいね
なあさん(28歳)からの相談 Q.夫が性交渉で射精できないため、ひと通り検査をして人工授精からスタート。1回 目の人工授精では、D18で卵胞23㎜、翌日排卵確認後に人工授精しましたがダ メでした。生理がきたのですが不正出血があり卵胞も育たず、プラバノールⓇを14 日間服用し生理を戻しました。翌月、前回卵が育たなかったのでクロミッドⓇを1× 5日間、D2から服用。D13で25㎜でしたが、尿検査で排卵に近い数値になっ ておらず H ※ CG注射を打ち、翌日人工授精しました。6日後の受診で右から排卵し たと言われました。この時もうまくいかず、人工授精から22日目に生理がきて、 注射後に排卵したのか不安です。クロミッドⓇ服用の場合、注射をしないと排卵しな いし、注射が効いているかもわからない。でも自然に任せても1周期ダメにするか もしれないと、次の周期をどうするか考えが行ったり来たりです。

いつ人工授精をするか?

これまでに 2 回行った人工授精はうまくいかなかったそうです。
福田先生 一度目は、自然周期で排卵後に人工授精したとのことですが、一般的には排卵前に人工授精を行うことが多いです。
射精された精子はすぐに受精できるわけではなく、子宮の中に入って、卵管を通っていく中で受精能力を得ていき、そして卵との出会いで受精できるからです。
ただし外国では施設によって排卵後に人工授精を行っているところもありますし、卵の受精能力は続きますから排卵後 8 ~ 10 時間後でも受精は可能です。
し かし、この時は残念ながらうまくいかなかったとのことですね。
そして不正出血があったので、プラノバールⓇで生理を戻し、次の周期はクロミッドⓇをD 2 から服用して 13 日目で 25 ㎜になったも のの、尿検査で排卵に近い数値になっていなかったとのこと。
これはLH(黄体化ホルモン)というホルモンが出ていなかったということですね。
そこでLHの代わりになるHCGの注射を打って翌日に人工授精したと。
HCGを打ってから排卵までは 36 時間かかります から、結果的には排卵前に人工授精したということになります。
しかし次の生理が 22 日後 だったので、人工授精の時に排卵したのか不安だということですが、注射から 36 時間後に 問題なく排卵はしているはずです。
6日後の受診で「右から排卵した」と言われたのは、遅れて排卵したということではなく、卵巣を見て排卵後にできる黄体を確認したということだと思います。
通常当院では、HCG注射を打った後、排卵の確認をもっと前に行います。
注射を打っても自然の場合でも、未破裂の黄体になることもあるからです。
今後は人工授精をした翌日か翌々日に排卵の確認を行えば、排卵したのかと不安になることもないでしょう。

注射のメリット

次の人工授精は自然周期かクロミッドⓇを使うか迷っているとのことです。
福田先生 なあさんはたまたま間の周期で不正出血がありましたが、自然周期でもクロミッドⓇを使っても、どちらでも大丈夫だと思います。
クロミッドⓇを使った場合、必ず注射をしないといけないと思われているようで、クロミッドⓇを使うことにやや抵抗があるようですが、HCG注射をしないと排卵しないというのは誤解です。
クロミッドⓇを使っても卵胞が育ってくれば、ちゃんとLHというホルモンが出て自然に排卵します。
必ずしも注射を打たないといけないということはありません。
ただ注射を使えば排卵をコントロールしやすいというメリットはあります。
注射後 36 時間で排卵なので、ご本人やご主人の仕事の都合などに合わせてHCG注射を打てばいいわけです。
確実に排卵に合わせた人工授精ができることになります。
クロミッドⓇ=注射を打たなければいけないという誤解をなくしたうえで、自然周期とどちらにするのかを決めていかれるといいのではないかと思います。
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不妊治療に関するドクターの見解を取材してきました。