流産後の妊娠について、 2人目希望ですが、 今後の治療を検討中

松本 由紀子 先生 2001年、浜松医科大学医学部を卒業。卒業後は岡山大学医学部産 科婦人科学教室に入局。その後、神戸掖済会病院、岡山済生会総 合病院、姫路赤十字病院で勤務。2007年より英ウィメンズクリニッ クへ。2012年より不育症センター所長、統合医療部門部長、臨床 遺伝専門部長に就任。昨年3月より副院長を務める。O型・てん びん座。2児の母として、仕事に子育てに忙しい日々を送っている 松本先生。自身で不妊治療を行って出産した下のお子さんが1歳 になったので、今度、休暇が取れたら、久しぶりに家族そろって 旅行に出掛けたいのだそうです。
ちゃも☆さん(38歳)からの相談 Q.子宮頸がんの円錐切除をしていて、4回目の顕微授精の末に妊娠しましたが、 6カ月で前期破水し、死産しました。また妊娠を望んでいるのですが、不妊治 療をしないと妊娠の可能性はないのでしょうか? 流産後は妊娠しやすいと聞き ますが、自然妊娠も可能でしょうか? また次に妊娠した際は、子宮頸管が短い ので、縫合手術はしたほうがよいのでしょうか? 前回は縫合手術をせずに経過 観察でした。

流産後に妊娠しやすくなる??

6カ月で破水、死産というつらい経験をされましたが、 2 人目の妊娠を望んでおられます。やはり不妊治療が必要でしょうか?
松本先生 治療歴が4年、体外受精1回、顕微授精3回と、かなり不妊治療をされてから妊娠されていますね。
自然妊娠は少し難しいのかもしれないので、おそらく治療をされたほうが妊娠の可能性は高いと思います。
年齢的な問題もありますね。
出産されているのは数年前なので、その時よりは間違いなく妊娠しにくくなっていますから。
前回、体外受精で妊娠された時と同じ治療をされるのがいいと思います。
「流産後に妊娠しやすくなる」というのは、昔からよくいわれていますが、実はあまり根拠がないことです。
自然に妊娠できる方に対してこういうことをおっしゃるようですが、不妊症で体外受精や顕微授精をされていた方が、流産したからといって自然妊娠しやすくなるとは考えにくいです。

早産の可能性

子宮頸がんの手術で円錐切除をされたことは、やはり影響が大きいのでしょうか。
松本先生 初期の流産ではなく、6カ月で破水されているので、やはり早産のリスクが高いことは明らかです。
手術の影響で不妊になるわけではないのですが、早産になる確率は変わらず高いので、当然、次の妊娠でもそのリスクはあります。
予防策としての縫合手術については、したほうがいいという説と、リスクが下がらないという説の両方があり、病院の方針にもよると思います。
円錐切除した後の子宮頸管がどれくらい残っているかというのもありますし、診察してみないと状況はわからないですね。
破水された原因も、子宮頸管の長さがどれほど関係しているのかわかりません。
やはり妊娠を望まれる前に一度、主治医の産科の先生と、次にどんな対策があるのかをよく相談されることが必要です。

リスクと予防策を考えて

今後の治療について検討中とのことですが、先生から何かアドバイスはありますか?
松本先生 妊娠6カ月というと、少しお腹が大きくなり始めてからの流産なので、本当におつらい経験だったと思います。
子宮頸管の根本的な治療はないので、妊娠を望む以上、また同じリスクを背負わなければなりません。
やはり具体的な予防策がなければ、なかなか不妊治療には向かえないと思います。
たとえば、縫合手術をすればうまくいく可能性が高いとか、妊娠したら今度は早産を予防するために妊娠初期から出産まで長期入院が必要だけれど、それでも頑張ろうとか、産科の先生から納得できるアドバイスをいただけたら、「よし、頑張ろう!」って思えるかもしれないですね。
手術するにしても入院が必要なので、上のお子さんもいらっしゃることを考えたら、状況的に難しいかもしれない。
安易に大丈夫、頑張ってとは言えないのですが、やはりリスクも予防策も先生とよく相談し、納得されたうえで治療や妊娠を望むことが一番大切かと思います。
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不妊治療に関するドクターの見解を取材してきました。