田村秀子先生の 心の 玉手箱Vol.21
排卵日を気にせず、 ご主人とは自然に 夫婦生活を送りたい。
でも、そう思えば思うほど どうしても気になって……。
秀子先生にお話を伺いました。
ふぐまるさんの投稿に 寄せられたコメントです!
排卵日のことを 少し大ざっぱに とらえてみる
普段の診察を通じて感じている ことなのですが、「自然に任せた い」という方は、たいてい治療に 疲れていらっしゃることが多いん です。
排卵日にとらわれず、もっ と普通に夫婦生活を送りたいと 思っている方、あるいは、自分自 身が排卵日にとらわれていること がすごくイヤという方など、さま ざまなんですけどね。
でも、いつも言うように、あわ よくば妊娠したいという下心丸出 しの“自然”はあくまでも自然じゃ ないんです。
排卵日のことを忘れ て、じゃあ自然にセックスできる のかといえば、日本人はやっぱり ルーツが肉食系じゃないから難しいでしょ?
だからといって排卵 日をまったく気にしていなかった ら、結局、どこにも当たっていな いということにはなりかねないで すよね。
じゃあ、一体どうすれば いいのか?
もう少し「大ざっぱ に」考えられたらいいと思います。
結果的に3、4カ月に1回、当た るか当たらないかで構わないの で、“当たらずとも遠からず”っ て日に“仲良し”できたら、それ でいいと思うんですけれど、いか がでしょう?
自然に任せてみようというぐら いだから、おそらくお二人には不 妊の原因となる大きな異常がない のだと思います。
ご主人の精子の 数が非常に少ないとか、奥さまの 卵管が詰まっているとか、そうい うご夫婦は妊娠する確率がやはり 大変低いわけですよ。
だから自然 にセックスしていても子どもができない。
でも、これって不妊の原 因がどこにあるのか調べても分か らず、休憩期間に「ひょっとした ら自然妊娠できるかも」というの と、ちょっと違うと思います。
夫婦の関係について 考え直す時期に 来ているのかも
私はよく患者さんに、「たまに はご主人を襲え!」と言うんです (笑)。
襲われるのをただ待ってい るだけじゃ、うまくいかないと思 うから。
でも、やっぱり「自然に する」ということを含めて、改め て夫婦の関係を見直す時期に来て いるんだろうと思いますね。
夫婦っ て男女の営みなんだけど、ある程 度の年月がたったらお友達という か、空気じゃないですか。
お互い に必要なんだけど、空気のような 存在であり、補い合うというか。
夫婦にはいろんな形があると思 いますが、仲良しができない、セッ クスができないというのはどうい う状態かというと、あまりにも近 すぎて、お友達というかもう兄弟 のようなそんな感覚になって、今 さらなぁ、どうやってお互いを盛 り上げようか、そこがしんどく なってくるわけです。
年齢が上がれば上がるほど、 不妊期間が長ければ長いほど、 そういう傾向にあると思います。
人工授精や体外受精など、治療 も一通りやってこられたのならなおさらです。
“原始からの営み” 明るく、おおらかに セックスを考える
「自然に」というのとは矛盾して いると思うかもしれませんが、こ れはもう“カレンダーに◎付け作 戦”ですよ。
「ココ、王様の日ね。 早く帰って来て〜」とか決めて、 明るく、旦那を待つのです。
セッ クスができない方というのは、も しかしたら夫婦の間で、セックス をするとかしないとか、そういう ことを会話にもできない雰囲気に なっているのかもしれません。
だ としたら、もっとシンプルに考え るのがいいと思います。
きちんと排卵のある人でした ら、頸管粘液の状態で排卵日があ る程度わかりますよね。
生理が 28 日周期の人だったら 12 、 13 日目辺 りがそうかなとか思うわけです。
日にちで見るのが必ずしも正しい とは言わないですが、ココという 日にちょっと頑張れたら、無駄に ひと月を過ごしていないっていう 満足感にもつながりますよね。
そ うすると焦燥感が蓄積されなくて いいと思います。
自然と言いつつ、秘め事めいたり、 無理にロマンチックな話にしようと かするから難しいのかも。
セック スって原始からの営みなわけですか ら、そこは明るく、開けっぴろげに いっちゃおうよと言いたいですね。
秀子の格言
「もっと明るく、おおらかに考える。 カレンダーに◎を付けて旦那を待つ、 時にはユーモアも必要です」