自分が楽になるポジティブな面を 見つける工夫をしましょう田村秀子先生の 心の 玉手箱Vol.45

妊活中は友人や知人の妊娠、出産報告にどこかモヤモヤ。お祝いできる自分でいたいと思いつつ、これからの付き合いに悩んでしまうことも…。そんな心に折り合いをつけるコツを、秀子先生に聞きました。

ネロリさんからの投稿 趣味を通じて知り合った年上の方から、「今年に入り妊娠がわかり、先日男の子が生まれました」と、赤ちゃんと写真付きのLINE が来ました。私たちは男性不妊で治療を繰り返していて、妊娠に至っていません。不妊治療の月日が経つにつれ、後から結婚した友人の出産報告を聞くのがつらいです。転勤族で友人と会う機会も減り、不妊治療のことを言えていないので、やりとりもおっくうになっています。「友人は減るけど理解されにくいし…」と、日々葛藤しています。久しぶりの出産報告に、どう返事をしたらいいのか悩みます。直接お祝いしたい気持ちもありますが、会ったら泣きそうで不安です。
田村秀子婦人科医院 田村 秀子 先生 京都府立医科大学卒業。同大学院修了後、京都第一赤十字病院に勤務。1991 年、自ら不妊治療をして双子を出産したことを機に、義父の経営する田村産婦人科医院に勤め、1995 年に不妊治療部門の現クリニックを開設。

自分の妊娠のためになるポジティブストーリーを描いて

-すれ違うお坊さんの袈裟に触れると、何か良いことがある-。

昔からこんな迷信やジンクスがたくさんあります。また、妊活という言葉が出始めた頃は、「妊娠菌」という言葉も流行りました。これは他人の妊娠をポジティブに捉える一つの方便だと思います。

「先に妊娠、出産した人を祝福し、自分の心の中のわだかまりをなくしましょう」と言うのは簡単です。それができれば苦労しませんよね。だから「妊娠菌」でも、「子宝草」でも、友人や知人がお参りに行って、赤ちゃんを授かった「子宝神社」でも、何でもかまいません。他人の妊娠の中に、自分の心の拠り所になるポジティブな面を見つけて、次はあなたの妊娠につながるストーリーを描いてみてください。ポジティブに捉える「努力」はしなくて大丈夫です。ただ、気持ちが楽になる「工夫」をするだけです。

妊娠、出産した人の幸運を次のバトンとして受け取ってみる

知人の方は、赤ちゃんが元気で生まれてくるまでは人に言いたくなくて、突然の出産報告になったのかもしれません。でもそれを聞いて何か返信したいと思うのであれば、「私の妊娠のお守りになりそうなものを分けて」と伝えてみるのも一つです。たとえば、私のクリニックでも、「妊娠した友人とどう付き合ったら良いかわからない」と相談を受けることがあります。そういう時は、「その人のお腹を触りに行ったら、気持ちが安らぐかもよ」とお話ししています。

ただ、気が進まないのにわざわざ会いに行くことはありません。良い結果を出した人の写真や情報をもらって、それをお守りとして持っておくだけで十分です。宝くじを高額当選が出た場所で購入するのと同じように、自分にとって「縁起のいいお守りをゲットしよう!」くらいの気持ちで試してみるといいですね。

みんなに先を越されても、その人たちからいろんな妊活情報や体験談を聞けたり、または、新しい補助制度が出てきたりして、後から妊娠するほうが良いことも必ずあります。家電製品も「後発のほうが良かった…」と後悔することもありますよね。単純にそう切り替えるといいと思います。

人間関係は移り変わるもの良い人にならなくてもいい。

「友人が減る…」とありますが、そもそも友人って、どこからどこまでを言うのでしょう?自分の悩みを多少話せる友人がいれば、縁を切りたいと思う人は切ったらいいし、「直接お祝いしなきゃ」と、無理して良い人になる必要もありません。知人の方もあなたが妊活していることを知ったら、わざわざお祝いしてもらおうと思わないはずです。また、親戚一同が集まる席に、赤ちゃんを抱いている人がいたら、「おめでとう」とだけ伝えて、その場をそっと離れていいんです。ほとんどの人は、あなたの心情を察してくれると思います。周りの人と自分を比べているうちは、心が苦しくなる一方でしょう。たとえば、40歳以降の妊活になると、それもなくなります。友人も子どもの受験などで忙しくなり、お互いの接点がなくなって自然と疎遠になることもあるからです。

人間関係には濃淡があり、人生のステージによって移り変わります。友人が減る時もあれば、また増える時もあります。そういう中で、自分の気持ちが楽になる工夫をしながら、妊娠を目指してほしいと思います。

秀子の格言

他人の妊娠の中に自分が楽になるポジティブな面を見つける工夫をしましょう

>全記事、不妊治療専門医による医師監修

全記事、不妊治療専門医による医師監修

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