子宮筋腫の手術を 受けるなら長い期間 お休みが必要ですか?

臼井 彰 先生 東邦大学医学部卒業。東邦大学大森病院で久保春海教授の体外受精 グループにて研究・診察に従事。医局長を経て、1995年より現在の東京・ 亀有にて産婦人科医院を開業。オフではジャイアンツの大ファンで、先生 が忙しくて観戦に行けない時は、先生に代わって奥さまがユニフォームを着 て応援に。奥さまは大のサッカーファンでもあり、夜中までテレビ観戦すると いう、スポーツ大好きご夫妻です。
tyokohimeさん(43歳)からの相談 Q.これまで、体外受精顕微授精、合わせて7回移植。一度、胚盤胞を移植しましたが、 ほとんど初期胚を移植して陰性に終わっています。顕微授精でも多核受精になるこ とが多く、なかなか凍結できません。着床できないのは子宮筋腫のためではないか とのことで、手術を進められています。一番大きいもので4~5cm、小さいものも 含めて5~6個あるとのこと。筋腫は筋層内にあるそうです。手術のために3カ月 間生理を止め、術後、6カ月間は妊娠できないと言われました。自覚症状もなく、貧 血や大量の出血もありませんが、このような状態でも手術から妊娠まで9カ月もか かるのでしょうか? 年齢も年齢なので、もし手術をするなら早く済ませたい気持ち でいっぱいなのですが……。

子宮筋腫と着床障害

これまで7回移植して結果が出ないということですが、やはり子宮筋腫が原因なのでしょうか。
臼井先生 4~5 cm というと結構大きい筋腫 ですね。
もし4 cm のものが5個あったら 20cmになってしまいます。
子宮内膜にできていると過多月経などで経血量が増えたりしますが、筋層内だと自覚症状がないことも多いようです。
着床に関しては、受精卵のベッドとなる内膜部の筋腫だと物理的に着床を阻害してしまうことが考えられますが、この方は筋層内にできているので内膜には影響がなく、これまで問題なく移植できたのだと思います。
しかし、筋層内だとしても、筋腫があると 子宮への血流量が悪くなってしまうことがあります。
それが着床しない直接の原因になっているかどうかは断定できませんが、妨げの1つになっている可能性はありますね。

子宮筋腫術後は、休憩が必要

手術を受ければ妊娠の確率は上がるのでしょうか。手術するとしても、その間、不妊治療ができなくなることを心配されているようです。
臼井先生 今まで筋腫の治療をされたことがないのなら、そこを改善することで妊娠しやすくなることもあります。
子宮筋腫の手術は、内膜にできている場合は子宮鏡で処置を行いますが、それ以外の場所にできた場合は開腹か腹腔鏡ということになるでしょう。
3カ月生理を止めて術中の出血を抑えると いうことは、腹腔鏡下の手術を提案されているのでは。
術後は、やはり子宮に傷ができてしまいますから、担当の先生がおっしゃるように病態によって3~6カ月間のお休みが必要です。
すぐに妊娠して子宮が大きくなり、子宮の傷に負担がかかってしまうと、子宮破裂を起こしてしまうおそれもありますので。

採卵と手術のタイミング

現在、 43 歳で、卵子の老化など焦りもあると思うのですが。
臼井先生 悩ましいお気持ちはわかります。
ベストな選択としては、手術の前に5~6個でも卵子を採って、凍結しておけるといいですね。
おそらく年齢要因で卵子の質が落ちて、なかなか凍結まで持ち込めないということですが、これまで初期胚で移植できているので、胚盤胞まで待たず、2~4細胞期の状態で凍結して、術後、融解したものを移植する。
また、移植できない期間は6カ月ですが、その間、採卵することはできます。
待つのがもどかしいということでしたら、採卵だけは続けてもいいかもしれません。
当院でも、 44 歳の患者さんで大きな子宮筋腫があり、手術の前に受精卵を凍結しておいた方がいらっしゃいます。
しかし、その受精卵ではうまくいかず、結局、術後に採卵した卵子で妊娠されました。
よくあるケースではありませんが、このようなこともあるので可能性はゼロではありません。
担当の先生、そしてご主人とよく相談されて、後悔のない治療をしていただきたいと思います。
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不妊治療に関するドクターの見解を取材してきました。