黄体機能不全で治療中。タイミング療法での妊娠は難しい?

堀川 隆 先生  琉球大学医学部卒業。国立国際医療センター、 国立成育医療センター不妊診療科勤務を経 て、2009 年12月より高崎 ARTクリニック 院長に就任。国際医療センター勤務時より内 視鏡手術・生殖補助医療に従事。成育医療セ ンターでは難治性不妊治療・加齢と不妊につ いての研究に取り組む。B型・みずがめ座。
みーすさん(27歳)Q.昨年高プロラクチン血症が発覚(その時の数値は64ng/mL)。プロゲステロンの数値は12ng/mL 以上だったので、黄体ホルモンは問題ないと言われました。 テ ※ ルロン ® を2カ月服用後、不妊治療専門病院に転院。そこで再度検査をした ら、プロラクチン値は14ng/mLと下がったのですが、プロゲステロン値が 7ng/ mLで黄体機能不全と診断されました。それからクロミッド ® を服用し、内膜が 薄くなったことから今はセロフェン ® に変更。タイミング指導を開始して5カ月 経過しましたが、妊娠する気配はありません。ヒューナーテストの結果が不良だっ たのですが、そろそろ人工授精にステップアップしたほうがいいのでしょうか。

プロラクチンが高い

まず、プロラクチンの値が高いことに関して、どう思われますか?
堀川先生 プロラクチンとは、脳下垂体から分泌される乳腺刺激ホルモンのことで、分泌されすぎると無月経や月経不順、排卵障害などを引き起こす場合があります。
検査キットにもよりますが、以前は 15ng/ mL 以下、現在、多く使われているキットだと 30ng / mL 以下が正常値とされています。
そこから考えると、みーすさんの2カ月前の数値、 64ng/ mL はやはりちょっと高めですね。
しかし、現在は 14ng/ mL まで下がったということですから、薬の効果があったのでは。
このまま様子をみながら治療を継続して問題ないと思います。

プロラクチンと黄体機能不全

プロラクチン値は下がったのに、黄体機能は悪くなってしまったということですが。
堀川先生 プロラクチン値が正常になったのに、黄体機能不全が進むというのは考えにくいですね。
これについてはあまり神経質になることはないのでは。
たまたま測った周期のプロゲステロンの値がよくなかったということも考えられます。
1回の検査で黄体機能不全だと断定するのはなかなか難しいですね。

クロミッドの影響

診断後、クロミッドⓇを飲み始めたそうですが、これはどのような目的があるのですか。
堀川先生 いい排卵をしないと排卵後の黄体もいい状態になりません。
質のいい排卵をさせるために、排卵誘発剤のクロミッドⓇを処方されたのだと思います。
しかしクロミッドⓇには、みーすさんのように子宮内膜が薄くなるという副作用が出てしまう場合も。
薬を替えたそうですが、ヒューナーテストが不良だったのはクロミッドⓇの影響によるものかもしれません。
クロミッドⓇには頸管粘液が少なくなるという副作用もありますから。

再検査で、治療方針を再考

卵管や精子などの検査には問題がないとのこと。先生ならどのような治療方針を立てますか?
堀川先生 本当に黄体機能不全なのか、薬を何も使用しないで様子をみてみると思います。
そして、薬の影響がない状態でもう一度ヒューナーテストを行います。
頸管粘液に異常がないようなら人工授精を行ってもあまりメリットがないと思うので、結婚期間にもよりますが、もうしばらくタイミング療法を続けて、それでも結果が出ないようなら別の要因に目を向けて治療をしていくことに
なると思います。
政井 哲兵 先生 今年から同院に勤務。B 型・て んびん座。「〝いつも明るく〞を モットーに、患者様の悩みをし っかり受け止めていきたいです」。
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不妊治療に関するドクターの見解を取材してきました。