もっと 知りたい! 自己注射
どんなふうに指導しているの?
自己注射、クリニックに聞きました! 実際の指導現場を突撃レポート
注射を打ちに行く時間や交通費などの負担が減るなど、多くのメリットがある 自己注射ですが、現場ではどのように指導してくれるのでしょうか。 蔵本ウイメンズクリニック院長の蔵本先生と看護師長の村上さんにお聞きしました。
アフターケアも万全 心配なら何度でも相談を
蔵本ウイメンズクリニックでは、体外受精をしている患者さんの約9割が自己注射をしています。蔵本先生に聞きました。
蔵本先生〝注射〞と聞くだけで〝痛い〞〝怖い〞といったマイナスイメージを抱いてしまいそうですが、指導もフォローもきちんと行うので心配しなくて大丈夫です。
最初は皆さん〝怖い〞とおっしゃいますが、当院のデータを見ても、それはあくまでイメージだということが一目瞭然(右下グラフ参照)。
特に、使い方が簡単なペン型自己注射器が登場してからは、〝自分で打たないといけない、失敗したらどうしよう〞という精神的な負担感がぐっと解消されているという研究発表もあります。
針も極細で、痛みもほとんどありません。
とはいっても、きちんと指導できる看護師がいることが大前提。
当院では、患者さんに技術指導できる看護師が 10 名ほどいて、患者さんが納得いくまで丁寧に対応します。
看護師と一緒に、患者さんご自身に実際に自己注射を打ってもらうところまでを行うと、皆さん自分でできたことに安心されるようです。
十分に指導をして、不安な所を解消して自宅で行っていただくようにしているので、自宅での使用になってから〝やっぱりできない……〞というような報告はまだ一度もありません。
もし自分でできなくなってしまっても、再指導の対応も万全です。
再指導を受けたい時に、何度でも受けられるようにしています。
自己注射をしている患者さんの意識的な変化もいい傾向のようです。
自己注射をすることで、治療に積極的に参加しているという気持ちになったり、奥さまが自己注射している姿を見て、ご主人が不妊治療に対して協力的になったという意見も聞こえてきています。
また、自己注射のメリットは、病院まで通う時間や病院での待ち時間、通院にともなう交通費などの負担が減ること。
仕事があって、連日通院するのは難しいという方もいらっしゃるでしょう。
当院でも体外受精や顕微授精を受ける方の 57 %が有職者です。
だから、通院などで日常生活が乱されないというのは、非常に大きなポイントになりますよね。
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