黄体機能不全の治療中です。よく言う「フカフカのベッド」ってどういう意味?

子宮内膜の状態としてよく挙げられる 「フカフカのベッド」とは、どういう状態なのでしょうか。 吉田レディースクリニックの吉田先生にお聞きしました。

吉田 仁秋 先生   獨協医科大学卒業。東北大学医学部産婦人科学教室入局、 不妊・体外受精チーム研究室へ。米国マイアミ大学留学後、 竹田総合病院産婦人科部長、東北公済病院医長を経て、吉 田レディースクリニック開設。2年前より産科・婦人科と施 設を分け、不妊治療専門の生殖医療IVFセンターを設立。 子宮内膜がなかなか厚くならないという患者さんには、漢方 やビタミン剤など薬以外のものも柔軟に使い、あらゆる手を 尽くして改善する努力をしている。O型・おとめ座。
アヤさん(会社員・32 歳)からの投稿 Q. 黄体機能不全と診断されたため、先月から高温期2日目から10日間  ※フィアA®というピルを処方されて飲んでいます。 この薬を飲むと高温はきれいに持続できます。先生にこの薬の作用を聞くと、 着床をよくすると言われました。よく言われる「フカフカのベッド」 というものだと思いますが、「フカフカ」とはどういう意味? また、治療を始めてからどのくらいで妊娠できるのでしょうか? 
※ソフィアAⓇ:黄体・卵胞ホルモン混合製剤で、一般名はノルエチステロン・メストラノール。子宮内膜に対し、プロゲステロンとほぼ同様の分泌腺発育 を促進し、受精卵の着床に都合のよい環境を準備する。

黄体機能不全について

黄体機能不全とはどのような状態を指すのでしょうか。
吉田先生 黄体機能不全とは、黄体から分泌される黄体ホルモン(プロゲステロン)や、それと一緒に出る卵胞ホルモン(エストロゲン)の値が低く、着床のための準備が整わなくなる状態です。
黄体ホルモンは基礎体温表でみると体温が上がっているとき(黄体期)に分泌されていくもので、この期間の短い方、もしくはまったくない方を黄体機能不全と診断しています。
当院の場合は、基礎体温でみて高温期が 10 日未満、血液検査では血中の黄体ホルモンの値が 15ng / mL 以下を診断の目安としています。なかには、血液検査の値がよくても高温期が短いという方もいらっしゃるので、どちらか一つではなく、総合的にみることが大切ですね。

黄体機能不全の対処法は?

改善させるためにはどのような治療を施すのですか?
吉田先生 黄体期に ※ ュファストンⓇなどの黄体ホルモン剤を服用していただきます。内服で効かない場合は、注射という方法をとることも。
アヤさんのようにピルが処方される場合もあります。ピルには黄体ホルモンのみのもの、もしくはソフィアA ®のように黄体ホルモンと卵胞ホルモンの両方が入ったものがあります。
※デュファストンⓇ:一般名はジドロゲステロン。合成黄体ホルモン製剤で、黄体機能不全などの 治療に用いられる。子宮内膜に対し、プロゲステロンとほぼ同様の分泌腺発育を促進し、受精卵の着床に都合のよい環境を準備する。

フカフカの内膜???

薬により黄体ホルモンの値が上がり内膜の環境が整っていく。つまり、フカフカになるということですね。
吉田先生 子宮内膜は、基底層と機能層の2つに分かれているのですが、内膜のより内側にある機能層がはがれ落ちることで生理になるんですね。
黄体期になって黄体ホルモンなどが分泌されると、その作用により血管が豊富になって機能層にある細胞に水分がたっぷりため込まれるようになるんです。
我々医師は、内膜が厚く、そのようにみずみずしくなる状態を「ウォーターベッド」と呼んでいるのですが、それがフカフカと言われる理由ではないでしょうか。子宮内膜に進入していく受精卵、そして受け入れる側、血流はこの2つのコンタクトを助ける重要な働きをしています。
治療にはどのくらいの期間を要しますか?
吉田先生 基本的には妊娠するまで続けていただくことになります。3〜6周期くらいが目安でしょうか。多くの方は薬で改善されるので、医師を信頼してきちんと治療を続けていただきたいですね。
>全記事がドクター編集!

全記事がドクター編集!

不妊治療に関するドクターの見解を取材してきました。