不調のサインをしっかりキャッチして体のトラブルを早く見つけよう!

月経やおりものなど、女性特有の生理現象はやっかいなものの、 卵巣や女性ホルモンなどがきちんと正常に働いているかを 知らせてくれる、大切なバロメーターでもあります。 不調のサインを見逃さないことが、トラブルの早期解決につながります。

近畿大学医学部産科婦人科学教室・教授 星合 昊 先生 昭和46年東北大学卒。ハーバード大学、 ロンドン大学への留学後母校の助教授を 経て、平成6年から近畿大学医学部産 科婦人科教授。生殖医療指導医、婦人 科腫瘍暫定指導医、日本周産期・新生 児学会暫定指導医、内視鏡技術認定医。

こんなサインに要注意

頭痛・めまい・貧血

子宮筋腫の場合、過多月経や不正出血に よって鉄欠乏性貧血になりやすく、この ような症状が出ることが。立ちくらみや 軽い動作で息切れする、疲れやすい、肌 や髪にツヤがなくなるといった症状も。

乳房のしこり・ くぼみ・ひきつれ

触診でわかる乳がんの主な症状。 定期的にチェックを。

乳房が張る・ 乳頭から分泌物が出る

生理中でもないのに乳房が張ったり、乳頭か ら乳汁が出る場合は高プロラクチン血症とい うホルモン異常の疑いがあります。

過多月経

子宮筋腫子宮内膜症、子宮内膜炎、子 宮内膜ポリープなどでみられる症状。子 宮内膜の異常では、逆に過少月経になる 場合もあります。

おりものの異常

通常のおりものは卵白に似て白っぽく、 透明で粘りけがあり、排卵日が近づくと 増えます。びらんや子宮がんでは色が黄 色っぽくなったり、血が混ざって褐色に なることが。泡状やカッテージチーズ状 のおりものは、腟トリコモナスやカンジ ダなどによる感染症の疑いがあります。

不正出血

子宮筋腫や子宮内膜症、子宮頸がんなど の多くの病気が疑われるサイン。すぐに 受診を。

下腹部痛・ 下腹部の張り

子宮や卵巣の病気の多くに生じる症状。 卵巣嚢腫で腫瘍が大きくなると、腹水が たまって下腹部が異様に張ることもあり ます。

進行すると腫瘍に栄養を奪われ、 お腹ばかり大きくなって痩せることも。

性交痛

子宮内膜症の病巣に癒着やしこりがあ ると、性交時に圧迫されて激痛や鈍痛 が走ります。性交痛があると「子ども は欲しいが、セックスは苦痛」となり、 心の病の引き金になることも。

便秘・頻尿

子宮筋腫が大きくなると子宮周辺の 膀胱や尿管、直腸などを圧迫するた めに起こる症状。逆に、尿が出にく くなることもあります。

排便痛

子宮内膜症の病巣が直腸近くにある と、便やガスが通過するときに圧迫 されて痛みを感じます。

生理がおしえてくれる 婦人病の〝黄色信号〞

10 代で初潮を迎えてから 50 代で閉経するまでの約 40 年、女性はずっと生理とともに過ごします。妊娠や出産、更年期という人生にとって大きな節目も生理があるからこそ。毎月のことでわずらわしく思うこともありますが、女性にとって生理は体の異変を知らせてくれる、いわば警告装置でもあるのです。

女性の病気の多くは、周期が乱れる、痛みがある、量が多い、期間が長い短いといった生理のトラブルとなってあらわれます。そのサインを見逃さないためにも、生理日誌をつけておくことをおすすめします。

生理日誌には、生理が始まった日と終わった日とともに、量や気になった症状などのメモも書き添えておきましょう。おりものや、セックスの有無などもつけておけば、不正出血があったときでも原因を探る参考になります。さらに基礎体温のグラフをつけておけば、婦人科を受診する際にも大いに役立ちます。

目で見て、手で触って、 発見できる乳房の病気

生理前は、女性ホルモンの影響でおっぱいも張って痛みをともなったりもします。生理が終われば張りも痛みも治まりますが、ホルモンバランスが崩れたり、ストレスの影響などで長引くこともあります。

しかし、乳腺症や乳腺炎などの病気でも痛みが起こるので、疑わしい場合は早めに受診しましょう。乳腺症や乳腺炎、また乳腺線維腺腫などでは、乳房にしこりができるため、セルフチェックで見つけることもできます。しこりの9割以上は良性の腫瘍ですが、乳がんの可能性もあります。

国立がんセンターの調査によると、この 25 年間で乳がんの罹患率は2倍以上に増えています。発症のピーク年齢は 50 歳前後ですが、傾向として 30 代が増えているのも気になるところ。時には鏡で見て、手で触ってと、自分の体の変化を見逃さないようにしましょう。

年に一度は検診を受け、 早期発見、早期治療!

どんなに気をつけていても、卵巣嚢腫や子宮頸がんのように自覚症状がほとんどない病気はどうしても発見が遅れてしまいます。がんはもちろんのこと、病気はすべて早期のうちに治療したほうが治癒率も高く、体への負担も少なくて済むのはいうまでもありません。年一度の人間ドックや検診を心がければ、安心です。

逆に、子宮筋腫のような良性の腫瘍でも、放っておけば大きくなったり、数が増えたりし、子宮全摘手術にまで及ぶこともあるのであなどらないこと。後悔しないためにも、自分の健康管理を後回しにしないよう心がけたいものです。

 

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不妊治療に関するドクターの見解を取材してきました。