排卵誘発剤で 流産しやすく なるって本当?

マシュマロさんから寄せられたこの投稿、みなさんにとっても 気がかりなことと思います。妊娠したくて薬を使っているのに、 流産率が上がってしまうなんて!? そんな矛盾に苦しむ マシュマロさんの悩みを、田園都市レディースクリニックの 河村寿宏先生に解きほぐしていただきました。
河村寿宏先生 A型、さそり座。子どもの頃、盲腸をただの 腹痛と誤診され危うい状態だったところを、 別の医師に手術で助けられた経験から、医 師を目指す(手術のときに「早く切ってくれ!」 と自ら頼んだというから驚き)。「趣味は不妊 治療」と言い切る根っからの不妊治療医。
投稿者:マシュマロ(主婦・36歳) Q.クロミッド*での排卵誘発でAIHをしたけど 生理が来てしまい、診察をしに病院へ行きました。 そこで以前から気になっていた、 「人工授精でできた赤ちゃんは、自然にできた赤ちゃん より流産しやすいのですか?」と質問したところ、 「当然、誘発剤を使っている分、染色体異常が出やすい ので流産は多いです」と言われました。 私は誘発剤を使わなくても排卵はしていたのですが、 年齢的なことと 確率を高くするために薬を使っていたので、 「薬を使わずにAIHをするのはダメなのでしょうか?」 と聞いたところ、 「妊娠の確率が減りますよ」「でも薬で流産が増えるの であれば……流産はしたくないですし」 「流産するのが嫌なら、不妊治療はやめたほうがいい」 と言われてしまいました。 不妊治療して生理が来るたびに悲しい思いをしている のに、流産してしまうのはそれ以上につらいことと思 えるのですが、それでも不妊治療をするべきなのでしょうか?

「当然、誘発剤を使っている分、染色体異常が出やすい ので流産は多いです」

メリット・デメリットの説明が うまくされていないようです

確かに、クロミッドで流産率がわずかに上がる傾向があるといわれていますが(※)、それよりも、人工授精の際に自然周期よりクロミッドを内服した方が、約1.5倍も妊娠率が上がるというメリットの方が大きいと考えます。

その辺りの説明がよくされていないようですね。

そもそも、それほど流産率が高い方法であるとしたら、当然、治療に取り入れることはできません。

※クロミッドで流産率がわずかに上がる原因は、染色体異常のぞうかによるものというより、ホルモン環境の変化が関与しているとも考えられています。

「薬を使わずにAIHをするのはダメなのでしょうか?」

どうしても抵抗があれば 別の方法を考えます

もちろんダメではありません。

その治療の効果や問題点をよく説明したうえで、「やっぱり納得ができない」となれば、他の治療法を提案します。

いくら医師が進める治療法だと沿ても、ご本人が納得されてないのであればやめるべきです。

そのご夫婦が納得できる治療が一番だと思います。

薬で流産が増える

ジネコ緊急アンケート!

?「効果が高い治療法だが流産率は上がる」 と言われたら・・・・・・

「ほかの治療法に変える」「別のドクター を探す」などの答えはわずか8.3%。大 部分の方が、多少流産率が上がっても、 効果の高い治療法を選択するという結果 になりました。「時間がもったいない」「少 しでもチャンスがあるならそれに賭けた い」などの声は共感できるところ。

「流産するのが嫌なら、不妊治療はやめたほうがいい」

医師として考えられない発言。 コミュニケーション不足が原因?

担当された医師がこのように言ったのであれば、同じ医師としても残念に思います。

多分、この先生とは、普段からあまりコミュニケーションが取れていなかったのではないでしょうか。

他の病院から移られてきた方の話を聞くと、治療法そのものが間違っているというよりも、治療に対する誤解や言葉の解釈の違いで医師に不信感を抱いている方が多いようです。

やはり、コミュニケーションの大切さを感じます。

それでも不妊治療をするべきなのでしょうか?

成功を望まない医者はいません。 思い切って疑問をぶつけてみては?

当然のことですが、どの医師も赤ちゃんが授かることを願っています。

この場合も治療法そのものが間違っているわけではなく、言葉のニュアンスなどで誤解を招いている可能性も。

詳しい説明を求めてみてはいかがでしょう。

信頼関係あっての 不妊治療。だから 言葉一つも大事に

「言葉が足りないことで、こういった誤解を招いてしまったのではないでしょうか」と語る河村寿宏先生。

「実際、一般の方が考えている以上に、流産というのは頻度が高いのです。だからある程度の覚悟はしておかざるをえない。そのよ
うなことを担当の医師は言いたかったのではないでしょうか。ですが言葉が足りず、こういう誤解を生んでしまったのでは」

不妊治療をしている、していないに関わらず、流産は 10 〜 15 %の 確率で起こってしまうもの。クロミッドの服用で流産率はわずかに
上がる傾向にあるものの、妊娠率が上がるメリットの方が大きいため、この場合治療法としては決して間違っていないと言います。

「ただ、その説明が足りなかったため、マシュマロさんは治療法に矛盾を感じて悩んでしまったようですね。こういった誤解を生まないために、言葉の一つひとつに気を配ることも、医師の務めだと思っています」

子どもの頃、手術で助けられた経験から、医療に感謝と憧れを抱き、医師を目指したという先生。
「不妊治療は、命を生み出す、夢のある仕事」と、少年のように目を輝かせて語る先生の姿が印象的でした。

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不妊治療に関するドクターの見解を取材してきました。