ソラさん(36歳)
最初は、強い刺激のショート法で2回ぐらい採卵してうまく育たず、今は薬とゴナール300で注射して採卵をしています。
まだ結果待ちですが、未熟から成熟し、正常な受精を確認しました。
胚盤胞になる確率が低いとされていますが、どれくらい低いのか、可能性はあるのか…。
採卵できる基準値が高くて4月5月スキップ。クロミッドとプレマリンを飲んでリセットをかけないと採卵できない状態が続いています。他に改善策はあるでしょうか。
いながきレディースクリニックの稲垣 誠先生に伺いました。

1994 年、浜松医科大学医学部卒業。浜松医科大学医学部附属病院、鹿児島市立病院、聖隷沼津病院などで産婦人科医の経験を重ね、2012 年、不妊治療専門施設「いながきレディースクリニック」を開院。「お一人ひとりに寄り添いながら、それぞれの患者さまに合った最適な治療を心がけています」
※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。
【質問1】強い刺激のショート法で胚盤胞になる確率について教えてください。
胚盤胞到達率について、排卵誘発法の違いによる差はあまりないと考えます。むしろ施設間の差のほうが大きいのではないでしょうか。ちなみに当院では高刺激法が中心ですが、胚盤胞到達率は60%程度です。
【質問2】ゴナール300を使用した場合の胚盤胞到達率を教えてください。
上記の質問1に関連した内容ですので。上記を参考にしてください。ゴナール300とはおそらく300単位の注射器による自己注射法のことを指すと思いますが、その場合一日あたりの注射量(150単位/日や、300単位/日)の違いによる刺激強度の違いがあります。
【質問3】クロミッドとプレマリンのリセット以外の採卵改善策はありますか?
あまりなじみのない処方の組み合わせです。採卵改善策としてこの場で紹介したいのは「ウルトラロング法」という排卵誘発法です。質問票から推測するともしかしたらこれに近い排卵誘発計画がすでに行われているかもしれません。一般的には3周期程度ピル等により月経(消退出血)を図り、そののちに排卵誘発を行う方法です。卵巣予備能を測る抗ミュラー管ホルモン(AMH)等の情報がないため定かではありませんが、相談者さまは卵巣予備能が低下している可能性があるのではないでしょうか。そういった方には検討に値する排卵誘発法だと思います。
【質問4】採卵基準値が高い場合の治療方法を教えてください。
「採卵基準値」という言葉の意味がよく分かりませんが、生殖医療における専門用語として一般的に使用される言葉ではないのではないでしょうか。今の時点での私なりの解釈ですと、なかなか採卵に至らない、排卵誘発にあまり反応しない、ということだとします。その場合は高強度の刺激を行うか、正反対に思い切ってマイルドな方法にして良好な卵胞が自然に近い形で発育するのを待つか、両極端な卵巣刺激法が視野に入るでしょうか。もちろんその中の一つにウルトラロング法も選択肢の一つになると思います。