【Q&A】自然周期かホルモン調整周期か~丸田先生【医師監修】

ききさん(37歳)

昨日2回目の移植判定が陰性で、前回含めて2回とも着床もしていないという結果でした。
2個移植や先進医療にチャレンジをしてみましたが結果が出ませんでした。

これまではホルモン補充周期でしたが、自然周期の方が合う人もいると主治医に言われ、次周期は自然周期での移植にチャレンジしようかと考えています。
ホルモン補充周期よりも自然周期の方が合う人はいるのでしょうか。
これまで子宮内膜が少し厚め(16mm)になるのが気になっていました。

また、ERA検査もオプションとして紹介されましたが、高額なのとあまり変わらないという意見も目にしており、悩んでいます。
次の移植が上手くいかなかった場合に検討でもよろしいでしょうか。

丸田先生に聞いてきました

まるたARTクリニック 丸田 英 先生
久留米大学医学部卒業。名古屋大学医学部附属病院 産婦人科を経て、2012年3月より生殖医療専門。2020年3月、まるたARTクリニックを開業。初診から治療終了まで同じ医師が担当することにより、効率的で高い成功率が得られ、何より患者さまの安心へと繋がると考え、診療に臨んでいる。「どんな時も患者さま第一、患者さまご自身の一瞬一瞬を大切に」を目標に掲げ、不妊治療と仕事の両立に理解ある治療スケジュールを導入。また、PRP療法などの最新治療や無料託児所完備等、不妊治療の環境向上にも積極的に取り組んでいる。

※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。

長い治療経過になっておりご苦労のこととお察しします。

●自然周期での移植がホルモン補充周期よりも合う人はいるのでしょうか?

ホルモン補充周期のメリットは、移植が計画的に進められることと、月経不順のような月経異常でも妊娠の環境が整いやすいことが挙げられますが、いわゆる「着床の窓」が短いことがデメリットの一つです。自然周期は、「着床の窓」がワイドになり患者さまによっては妊娠環境が整いやす方もいます

●子宮内膜が16mmと少し厚めですが、自然周期での影響はありますか?

内膜16mmとのことだけで自然周期が不利になるとは思いません

●次の移植が不成功の場合、ERA検査を考慮すべきでしょうか?

クリニックにより方針や考え方が違うと思いますが、良好胚盤胞2回不成功であればその時点でERA検査を含むトリオ検査を検討したほうが良いかもしれません。トリオ検査後の移植で妊娠できている方は多くいます。

●ERA検査の有効性について、先生のお考えをお聞かせください。

ERA検査は、全員に行うべき検査ではありませんが、必要な症例には効果のある検査です。

●2個移植や先進医療以外の選択肢についてアドバイスをお願いします。

2個移植は、妊娠率が上がりますが、現在不成功の原因がどこに原因があるのか評価できているかが重要なポイントです。主治医が胚の問題で不成功が続いているのなら2個移植は効果的です。移植環境(「着床の窓」や子宮内フローラなど)に問題があるのに2個移植しても意味がありません。
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